インタビュー アイコン バトル漫画賞審査員『キン肉マン』ゆでたまご 嶋田隆司&中井義則

ゆでたまご 嶋田隆司

嶋田先生写真

――この度「1億円40漫画賞」における「バトル」漫画賞の審査員の依頼を受けて、どう思われましたか?

嶋:これまで、漫画賞の審査員は断ってきたんです。自分のライバルを増やすようなものですからね(笑)。ただ『キン肉マン』(集英社)の連載開始から40年。今や僕らの作品を知らない人はほとんどいないし、「ゆでたまご」という名前をここまで大きくしてくれた漫画界に何か恩返しをしたいと考えていました。今回審査員を引き受けたのは、本当に良い人材を見つけて世に出すことで、それが叶えばいいなという思いがあります。

――子どもの頃は、どんな漫画を読んでいましたか?

嶋:僕らの世代は、やっぱり梶原一騎先生とちばてつや先生ですよ。『巨人の星』、『愛と誠』、『空手バカ一代』、『タイガーマスク』、『あしたのジョー』、『ハリスの旋風(かぜ)』 、『おれは鉄兵』(すべて講談社)、『柔道一直線』(少年画報社)、ぜんぶ好きでしたね。ギャグ漫画も好きで、赤塚不二夫先生や、永井豪先生の作品も読んでいました。永井先生の作品だと『オモライくん』(竹書房文庫)や『あばしり一家』(秋田書店)がすごく面白かった。こういう漫画を描きたいな、と思っていました。

――『キン肉マン』の原案は嶋田先生が子供の頃に描いたと聞いています。

嶋:子どもの頃から絵を描くのが得意だったので、わら半紙の裏にキャラクターを描きながら、即興でストーリーを作って友だちに見せていました。みんな、ゲラゲラ笑ってね。じゃあそれを漫画にしてみよう、という流れで生まれたのが『キン肉マン』です。「キン」の部分が片仮名なのは、単純に漢字の「筋」を習っていなかったから。今見ると「キン」と「マン」がシンメトリーになっていて、すごくバランスがいいなと思いますけどね。

――デビューが早かったこともあり、新人時代には苦労も多かったのではないですか?

嶋:18歳で漫画家デビューしたんですが、新人時代に苦労した記憶はないですね。「週刊少年ジャンプ」(以下:「ジャンプ」)に掲載されると、読者アンケートの人気投票(以下:人気投票)でもすぐに反響があって、速報のタイミングではありましたけど1位を取りました。最終的には車田正美先生の『リングにかけろ』(集英社)が1位になりましたけどね。
あの頃は漫画家になれたのが嬉しくて、とにかく有頂天でしたね。これでご飯を食べていくというよりは、部活のような感覚に近かったかな。それが甘かったのか、連載2年目くらいにスランプが訪れたんです。「アメリカ遠征編」で人気投票10位くらいまでガクッと転落してね(笑)。
「アメリカ遠征編」は、超人プロレス団体のテリトリー争いを中心にストーリーが展開されるんだけど、読者の子供たちはそれをキン肉マンの闘う理由としては見てくれなかった。この一件で学びましたね、キン肉マンは“誰かのために闘わなきゃいけない”ってことを。以降、原点回帰の意味も込めて「第2回超人オリンピック編」を描きました。そうしたら、あっという間に人気順位が上がりましたね。

――『キン肉マン』は、昭和、平成、令和と連載が続く、稀有な作品です。創作活動を続けてこられて、漫画界の移り変わりをどう感じていますか?

嶋:特に「ジャンプ」は変わったなと感じます。僕らの頃は『リングにかけろ』、『聖闘士星矢』(ともに車田正美)、『ドラゴンボール』(鳥山 明)、『キャプテン翼』(高橋陽一)など名作ぞろいで、毎週ぐるぐると人気投票の1位が入れ替わりました。とにかくライバルが多かったので、みんな「負けないぞ!」という気持ちが強かったですね。だから作家同士もギスギスしていて、編集部主催のパーティーや表彰式で会っても、みんな目を合わせない(笑)。
1位こそ誉れで、担当編集者にも「1位じゃなきゃ漫画じゃない。2位、3位なら漫画家やめたほうがいい」なんて言われてね。編集者同士も仲が悪かったですね(笑)。情報戦も激しくて、たとえば『北斗の拳』(原作:武論尊、作画:原 哲夫)がクライマックスを迎える週がわかると、僕らの漫画のクライマックスはもう少し先の予定だったのに、わざと早めて同じ週にぶつけるなんてこともありましたよ。
逆もしかりで、こっちがちょっと弱みを見せようものなら、どの作品も潰しにかかってきますからね(笑)。時代もありますけど、とにかく雑誌としての熱量がすごかったです。読み飛ばす漫画がひとつもなかったですからね。まさに「ジャンプ黄金期」でしたね。

――確かに今は、人気上位の作品が毎週入れ替わるようなことは少ないですね。

嶋:今の若い作家さんたちは、1位をがむしゃらに取りにいかず、みんな仲良しさんに見える。そこはちょっとむず痒いですね。なんで取りにいかないのかな、とは思います。「2位3位でいいや」という作家が増えると、誌面の熱量も下がって、雑誌は売れなくなると思います。読者は好きな漫画だけ、単行本やアニメで楽しめばいいんですから。

――「キン肉マン」もアニメ化して、社会現象に拍車がかかりましたよね。

嶋:当時『闘将!!拉麵男』(フレッシュジャンプ)を掛け持ち連載していたので、忙しすぎて、社会現象になっていることを知らなかったんですよ。「キンケシ」が発売されていることも知らなかった。なんの監修もなく、勝手に発売されてたんです(笑)。

――そんな多忙な時期に『闘将!!拉麵男』を描こうと思ったきっかけはあるんですか?

嶋:そのときはまだ、日本に中国拳法の漫画がなかったんです。僕はブルース・リーが大好きだったので、絶対に中国拳法の漫画を描きたいと思った。そのために、あらゆる手段で資料を取り寄せて、少林寺拳法の修行法なども勉強しましたね。

――『キン肉マン』の魅力として、ユニークなキャラクター名、カッコいい技名が挙げられることも多いです。それらのネーミングは、先生が考えられたのですか?

嶋:技名は映画からヒントを得ることもありますが、ほぼ自分で考えます。字数とか、音を大切にしていますね。キャラクターによってカタカナ、漢字なども意識しています。ザ・ニンジャは日本の超人だから、漢字で「順逆自在の術」とかね。キャラクター名は、読者投稿で決まったものも多いです。
キン肉マンの「スグル」に関しては絵が先に完成して、そのあと「人の家の冷蔵庫を勝手に開けて、中のものを食べちゃって『お前の母ちゃん料理下手』って言いそう」という性格が決まりました。名前をどうするか迷っていたとき、ちょうど江川卓選手(元読売ジャイアンツ)の入団にまつわる騒動が世間をにぎわせていたんですよね。記者会見などで見せる、江川さんのちょっと生意気そうなところが、キン肉マンのイメージとぴったりだったので「スグル」の名前を頂きました(笑)。
スグルの兄の「アタル」は、江川さんの弟の実名で、スグルの父「真弓」は、野球つながりで真弓明信(元阪神タイガース)さんから拝借。母の「小百合」は原作には登場してなくて、アニメの設定ですね。おそらく女優の吉永小百合さんから来てるんじゃないかな。

――漫画原作をされる上で、先生が心がけていることはなんですか?

嶋:僕らの頃の作家は、伏線をあまり張ったりせず、その1話が面白ければそれでいいという刹那的な描き方をしていた人が多かった。伏線なんか張っている余裕があったら、人気投票1位を取りにいかなきゃいけない。『キン肉マン』は矛盾だらけで脇が甘い漫画だとよく言われるんですが、それの何が悪いのかな? 当時は、それが少年漫画だったんです。今の漫画は丁寧に伏線を張ったり、細かい設定に凝ったり……漫画ってそんなんやったっけ? って思うこともありますね(笑)。
今でも「『キン肉マン』だから許そう」なんて読者の感想をよく目にします(笑)。なぜこの作品だけが、伏線もなく矛盾だらけなのに読んでもらえるのかというと、もはや『キン肉マン』というひとつのジャンルとして受け入れられているからでしょうね。

――『キン肉マン』は、3ヶ月間の長期休載をしたことがあります。連載再開のとき、キン肉マンが休載中ずっと同じ体勢でいたとか、ロビンマスクがハンモックで昼寝していたといったメタフィクション表現が新鮮に映りました。あの表現は、意図的に入れられたのでしょうか?

嶋:絶対このスタートしかないやろ! と思ってやりました(笑)。ああいったギャグが、現在70巻近くなる『キン肉マン』の原点なんだと思っています。
最近はシリアスなシーンも多いけど、もともと『キン肉マン』はギャグ漫画なんです。キン肉マンは強くはなっても、絶対に無双にはならない。いつまでも成長しなくて、必ずちょっとビビるし、なんなら“おもらし”もする(笑)。読者にもよく怒られるんですよ。「なんで毎回そこでビビるんだよ!?」って(笑)。

――そういった意味では、キン肉マンは、主人公らしくない主人公かもしれませんね。

嶋:それが、キン肉マンなんです。だからキャラクター人気投票だと、ちょっと順位が下がる。1位の取れない主人公なんです(笑)。でも、そんな彼にシリアスなロビンマスクやウォーズマンがついてきて、友情パワーが生まれた。主人公には、親しみやすさも大事ですからね。

――登場キャラクターに親しみを感じてもらうには、何が必要でしょうか?

嶋:ポパイのほうれん草や、ドラえもんのどら焼きのように、好きな食べものを設定するのもひとつの手です。キャラクターが立つし、親近感もわくと思います。
キン肉マンの好物である牛丼も、読者の子どもたちが「どんな食べ物だろう?」とすごく興味を持ってくれてね。「子どもの頃『キン肉マン』を見て牛丼に興味を持った。大人になった今でも大好物です」とよく言われますよ。

――漫画賞へ応募するにあたり、どのような心持ちが必要だと思われますか?

嶋:「漫画家になりたい」という確固たる決意を持って挑んでほしいですね。僕らが子どもの頃も、なんとなく漫画家になりたいとか、なれたらいいなって子はいましたが、どうして「なりたい!」と強く思わないのか、不思議でしたね。
僕らは、「絶対に漫画家になる」という想いがあった。第9回赤塚賞に応募したときも、必ず入選すると自信満々でした。だから、準入選だったときはがっかりしましたね。しかも準入選の賞金は20万円ぐらいで、入選賞金の100万円からの落差にもがっかりしたのを覚えています。今回の漫画賞では、40部門のすべてで大賞を取れば賞金1億円もらえるんですよね。いい商売やなぁ(笑)。自分で描きたいくらいですよ(笑)。

――先生のように確固たる自信を持つには、どうしたらいいでしょうか?

嶋:漫画家になりたくて迷っている人は、何を描けばいいかわからない人が多い印象です。かつて手塚治虫先生が「武器を3つ持て。違うジャンルで違う漫画を3つ描けたら一人前」と言っていました。僕らも『ゆうれい小僧がやってきた!』や『SCRAP三太夫』(ともに集英社)などいろいろなジャンルの漫画を描いたけど、ことごとくうまくいかなくて悩んだ。そんなとき気づいたんです。水島新司先生は野球漫画を極めてるんだぞ! って(笑)。
手塚先生の教えとは違うけど、強力であるならば武器はひとつでいい。僕らにとってそれは、プロレス漫画でありバトル漫画だったんです。だからこそ、そのジャンルでは誰にも負けない自信がある。ここで負けたら、自分たちの武器を失ったのと同じです。『タイガーマスク』以降現在まで、プロレス漫画といえば『キン肉マン』しかないんですから。

――その「武器」に磨きをかけるために、何かしていることはありますか?

嶋:プロレスは子どもの頃から好きで、今でも観戦しています。技の研究のために、自分で柔術も習っていますよ。やっぱり新しいプロレス漫画が出てきたとき、負けるのは嫌ですからね。ただ、現実のプロレスは、もう技が出尽くした感がありますね。当時、人間には絶対にできないだろうと思って描いた「キン肉バスター」や「地獄の断頭台」も、実際に似たような技の使い手が出てきている。「キン肉ドライバー」はさすがに無理でしょうけど(笑)。そのせいもあって、最近ではシルク・ドゥ・ソレイユのようなエンターテインメントショーから、技のアイデアが浮かぶことも多いです。

――「武器」が評価されるのを恐れてしまう人は、どう気持ちを保てばいいでしょう?

嶋:漫画賞に応募するにしても、編集部に漫画を持ち込むにしても、とにかく自信を持ってほしい。話し合いの場で主義主張がないのも喜ばれないし、ダメ出しすべてを「はいはい」と受け入れるのもよくないと思います。僕らは納得のできないダメ出しには、逆らってきた。連載中、担当編集者にダメ出しされた扉絵を、僕自身がすごく気に入っているという理由で押し通したこともあります。

――力強いメッセージをありがとうございました。それでは今回の漫画賞の応募者に向けて、エールをお願いします。

嶋:「絶対に一番を取るんや!」という自信を持って、作品を作ってほしいですね。ぜひ『キン肉マン』を超える漫画を描いてください。ジャンルも「バトル漫画」ですから、僕らに勝負を挑んでくる人たちが出てきてくれたら嬉しい。受けて立ちます。でも、絶対負けませんよ(笑)。

ゆでたまご 中井義則

中井先生写真

――「ヤングジャンプ創刊40周年記念1億円40漫画賞」の審査員の依頼をお聞きして、最初にどう思われましたか?

中:賞金総額1億円とは、かなり奮発していますよね。ジャンルが多岐に細分化されていて、面白いと思いました。人の作品を評価するのはおこがましいのですが、漫画家として40年間やってきた経験が、何かお役に立てればいいなという気持ちで審査員を引き受けました。

――先生は子どもの頃、あまり漫画はお読みにならなかったとか?

中:アニメは見ていましたが、漫画雑誌はなかなか買ってもらえなくてね。お祭りの古本屋の出店で古本を買ってもらうくらいでした。本に虫がついているので、読む前に必ず殺虫剤をかけるんですよ(笑)。『巨人の星』(原作:梶原一騎、作画:川崎のぼる/講談社)増刊号とか、怪獣映画の特集を読むのが楽しくて。大伴昌司先生の特集ページも大好きでしたね。

――絵を描くことに興味を持たれたきっかけは?

中:姉がすごく絵が上手で、小さい頃に描き方を教わりました。それで小学1年生のとき、学校で使う『桃太郎』の紙芝居を一生懸命描いたら、先生がすごく褒めてくれてね。「人に喜んでもらう」という喜びを感じました。絵を描くことが楽しい、と気づいたきっかけですね。でも僕は野球少年だったので、そのときはまだ「ゴジラ」や「ガメラ」などの怪獣を描いて遊んでいた程度でした。
漫画の面白さを知ったのは、小学校4年のときに転校して、相棒である嶋田と出会ってからです。相棒の描いた『キン肉マン』が、漫画の面白さを教えてくれた。それからですね、本格的に漫画を描くようになったのは。

――嶋田先生の原案を絵にする際に難しいと感じることありますか?

中:最初は別々に漫画を描いていたんですよ。中学生になって合作を始めて、中学の終盤あたりからは、原作と作画を分業にしました。相棒の原案を絵にすることを、難しいと感じたことはないですね。意思疎通がうまくできていたんでしょうね。そのときは自分たちが面白いと思うものを漫画にしていただけなので、ハードルは高くなかった。とにかく楽しんでいましたね。

――イメージの相違などで、嶋田先生と意見がぶつかるようなことはなかったですか?

中:新しいキャラクターのイメージを相棒が伝えてきたり、こちらから聞くといった意見のやりとりはありますが、言い争うことはないですね。昔から相棒のほうが漫画に詳しかったし、アクの強いキャラクターを作るのが上手いんです。相棒は子どもの頃、交通事故で入院したことがあってね。そのときにたくさん漫画を読んだらしく、いろいろなことをよく知っていた。漫画の知識は、同学年の連中の比になりませんでしたね。

――分業で漫画を描くうえで、お互いによい関係を保つ秘訣はありますか?

中:夫婦と同じですよね(笑)。お互いにちゃんと気を遣っているあたりが、よく似ていると思います。相棒は僕以上に気を遣ってくれるので「もっとはっきり言ってくれていいのに」と思うこともありますけど(笑)。何をすると僕が怒るのか、どこまで言えるのか、相棒はよくわかっているんだと思います。僕らは好き嫌いも似ているし、お互い妥協するところはあっても、真っ向からぶつかることはないですね。
実際に分業で漫画を描く場合、難しいと感じる人も多いと思います。でもお互いに我慢せず、よく話し合うことで大抵のことは解決します。お互いに必要性を感じていれば、ずっと一緒にやっていけるんじゃないでしょうか。最初は相手の長所を見られるんですが、長くやっていると、逆に悪いところが目立つようになる。そうなったときに、もう一回よくお互いを見直してみることが必要だと思います。

――なぜ、嶋田先生を「相棒」と呼ばれているのでしょうか?

中:それも夫婦と同じなんですよ(笑)。つれあいを名前で呼べない人って、いるじゃないですか。相棒は僕を「中井くん」と呼ぶんですが、僕は「嶋田くん」なんて照れ臭くてとても呼べない(笑)。本人にも「相棒はどう思う?」なんて話しかけています(笑)。子供の頃から、ずっとこんな感じですね。

――いいご関係なのですね。仕事で気持ちが折れそうなときは、助け合うこともありますか?

中:いいアイデアが浮かばないときは、相棒とご飯を食べながら、昔みたいに馬鹿話をして盛り上がりますね。どんな厳しい困難も、相棒となら乗り越えられる自信があるんですよ。僕はやっぱり、頼りにしているんでしょうね。とても面と向かっては言えませんけどね(笑)。今回のようなインタビュー記事を通じて、間接的に伝わればいいかな。
それに、長く漫画家をしていると、だんだん辛口なアドバイスをしてくれる人がいなくなってくる。それをしてくれるのは、相棒だけ。ふたりでやっている強みですよね。もっと高みを目指していきたいですから。

――長期連載ということもあり、力強い絵を描き続けるのは大変だと思います。疲労を溜めないコツなどあるのでしょうか?

中:正直、疲労はありますよ。でも、できるだけペンのうしろのほうを持って、力を抜いて寝かすように描くと、手首への負担が軽くなるんです。長くやっているうちに、自分に合った描き方が見つかりましたね。原稿用紙も吟味して、市販されている一番いい紙を今は使っています。神保町の紙マイスターに作ってもらっているんですよ。スクリーントーンも、長くやっていると廃盤で入手できないものも出てきますが、そういうときは自分で作ったりもします。

――「感情」を絵に投影するために、気をつけられていることはありますか?

中:毎週金曜日にネームを作って打ち合わせをするんですが、そこで、このときのこのキャラクターの気持ちはどうだとか、表情は笑っているのか、苦笑いなのかといった喜怒哀楽をきちっと確認しています。相棒は俳優の勉強をしていたこともあるので、演技がうまいんです。『必殺仕事人V』(テレビ朝日系/放送終了)に出演したこともあるんですよ。だから、思い描く感情を演技で表現してもらうこともあります。すごくわかりやすいですよ。
作画に関しては、説明が難しいのですが、とにかく手を抜かないことと、しっかり気持ちを入れ込むことを心がけています。迫力のあるシーンは、しっかり迫力を持たせて描くことが大事ですね。読者もよく見ていますし、目が肥えています。お金を出して買ってくださっているので、しっかりやらないと申し訳ないですから。

――気持ちを入れ込んで描かれた絵を漫画にする過程で、何を大切にされていますか?

中:原作を一番面白く表現するためには、どういう演出が必要かを考えています。単調なコマ割りで見せるのでなく、いかにドラマチックに描くか。原作は同じでも、演出の仕方で読者の受け止め方がまったく違ってくるので、見せ方はすごく大事です。そういう意味では、僕は演出と監督も担っている感じですね。

――演出方法として参考になさっているものがあれば、教えてください。

中:やはりアクション映画が多いです。昔は香港映画にすごくハマっていました。『007』シリーズや、ブルース・リーの出演作は勉強になりました。今はマーベル映画や、ハリウッド映画のカメラワークなどを参考にしています。

――先生のお仕事場を拝見すると、洋楽がかなりお好きな印象を受けました。

中:兄弟の影響で、小学校の頃からビートルズを聴いていました。中学以降は、本格的に洋楽を聞くようになりましたね。ビートルズ、ローリング・ストーンズ、エリック・クランプトン、ロッド・スチュアート、ビリー・ジョエルなどは、今でもよく聴きます。
以前は仕事中にローリング・ストーンズなんかをバンバンかけていたんですが、ある日ふと、スタッフが耳栓をして仕事をしていることに気づいてしまって(笑)。今は、ひとりで聴いています。当時は徹夜も多かったし、眠気覚ましでもあったんですよ。最近は規則正しく生活をしていて、徹夜もしません。健康でないといい絵は描けませんからね。ちょっとでも具合が悪いと、それが絵に出てしまうんですよ。

――「バトル漫画」にはこれが欠かせない! と思われる要素はありますか?

中:迫力のある絵はもちろんですが、コマ割りもしっかり考えたほうがいいですね。どういう場面なのか、どういうことをしているのか、読者がちゃんと状況をわかるようにしないといけませんから。たまに絵だけは激しく描いてあるけど、どんなシーンなのかわからない漫画がある。そうならないために、たとえば人間同士がぶつかり合うシーンなら、顔のアップのあとに引いたアングルを入れて、どうやってぶつかっているのかを見せるなど、しっかりメリハリをつけるといいと思います。
コマの視点ひとつとっても、上から見せるか、下から見せるか。それとも横からか、斜めからか、いくらでも変えられます。

――以前、先生はアシュラマンを描くのが難しいとおっしゃっていました。現在も複雑な見た目の超人が多数登場しますが、描きにくいと感じるキャラクターはいますか?

中:オメガマン・アリステラは、ちょっと描きづらいですね。かっこよく見えるアングルを決めるのが難しいんです。目の位置や高さなど、顔の細かいパーツとアングルを調整しながら、一番いい表情になるポイントを手探りで見つけていっています。

――『キン肉マン』には多くのマスクマンが登場します。ストーリーで“マスク狩り”がテーマになったこともありますが、キン肉マン、ロビンマスクの素顔設定などは決まっているのでしょうか? 作中で「ロビンマスクは、アラン・ドロン似」ともされていましたが。

中:ふたりともハンサムだろう、という程度のイメージはありますね(笑)。アラン・ドロンは、当時は男前の代表でしたから。

――「読者からの超人募集」は、毎回多数の応募が寄せられることと思います。採用選考は、おふたりでされているのでしょうか?

中:今は嶋田がある程度絞ってから、最終的に「どっちがいい?」と持ってきてくれます。応募数が多いので、助かっていますよ。採用の決め手は直感でしかないのですが、伸び代を感じる超人を推すようにしています。あと、最初は扱いが難しかったけど、連載を重ねるたびにどんどんよくなってくる超人もいます。ガンマンのように、登場後すぐビジュアルを変えた超人もいます。あのときは相棒と「このままじゃキツいよね」とすぐ意見が一致しました(笑)。

――今回の漫画賞では、どんな応募作を期待していますか?

中:僕らは“あの頃”の週刊少年ジャンプ出身の漫画家なので、久しぶりに少年漫画らしい作品に期待したいですね。太い眉毛で、ド根性タイプの主人公が登場するような。まぁ、眉毛は細くてもいいんですけどね(笑)。

――貴重なお話をありがとうございました。最後に、応募者の方々に応援メッセージをお願いします。

中:漫画家は、鉛筆と紙さえあれば誰でも入ってこられる、間口の広い仕事です。ただ、それを何年も続けていこうと思うと、道がどんどん狭くなって、さらに登り坂になっていく。そのときにどう対処するかが、漫画家を続ける一番のポイントになってきます。
でも最初は自由奔放に、自分が楽しいと思えるものを描けばいいと思うんです。まずは、気楽に始めてみてください。

賞金総額

応募資格:プロ・アマ問わず/ページ数:50ページ以内/一作品につき一つの賞に応募可能です。

受賞作はとなりのヤングジャンプ ・ヤンジャン!アプリに掲載予定です。さらに優秀作品に関してはヤングジャンプ・グランドジャンプ・ウルトラジャンプ誌面に掲載される場合があります。また、大賞・準大賞・審査員特別賞の受賞者は2021年1月開催予定の授賞式にもご招待いたします。(※交通費の支給は大賞受賞者ご本人様のみとなります)

最終候補作投稿者にはヤングジャンプ定期購読デジタルが1年間無料となる特典もございます。


※各漫画賞ごとに審査のうえ、受賞作を決定します。
※受賞本数内訳は各審査結果により異なり、各漫画賞の賞金250万円の内訳は各漫画賞で異なります。
※全40漫画賞の賞金総額が最大で1億円となります。
※賞によっては条件の異なるものもございます。詳細は賞ごとの概要をご確認ください。
※商業媒体未発表(投稿サイトやSNSなどを除く)のオリジナル作に限ります。同じ作品を同時期に他の新人賞(web媒体含む)へ応募するのはご遠慮ください。
※受賞作品の出版権、上映・上演権、映像化権などの諸権利は集英社に帰属します。
※応募された個人情報は厳重に管理し、本企画遂行以外の目的に使用することはありません。本企画遂行後、速やかに破棄致します。

郵送の場合

宛先
〒101-8052
神田郵便局 郵便私書箱 第66号
「1億円40漫画賞」係
※返却原稿用封筒を同封してください。切手不要です。

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記入事項
原稿の最終ページ裏に下記を記入してください。
■郵便番号
■住所
■氏名(本名とペンネーム)・年齢
■職業
■電話番号(都合の良い時間帯も)
■今までの投稿・掲載歴
■志望雑誌(ヤングジャンプ・となりのヤングジャンプ&ヤンジャン!アプリ・グランドジャンプ・ウルトラジャンプ)※複数回答可
■作品を投稿する賞名 ※一作品につき一つの賞に応募可能です

※手書きの場合はB4判の紙に黒インクか墨汁で描き、セリフは鉛筆で濃く書いてください。絵柄にかかる場合はトレーシングペーパーの上に。版面は270×180ミリ(右図参照)。

原稿サイズ
WEBの場合

応募フォームより必要事項を入力の上、原稿データをアップロードしてください。

原稿作成時のデータは指定なく自由に作成可能ですが、提出にはweb掲載用としてjpegもしくはpngファイルにてアップロードしてください。
原稿は原則として、アナログ原稿の版面に準じます。
B4サイズでプリントアウトされるように設定し、その際、上下左右20mm以上の余白が出来るように作成してください。
各ページに必ずノンブル(ページ番号)を記載してください。
ファイルサイズの上限は100MBです。
そのサイズを超える作品は、CD-Rなどに書き込み、プリントアウトを別途添えて郵送にてご応募ください。

アップロードするファイルは圧縮し、ファイル名は「(作品名の半角英数小文字).zip」でお願いします。
例)shinman.zip

各頁jpeg/pngファイルのファイル名は半角アルファベットのタイトル名+ページ数3桁でお願いします。
例)
shinman001.jpg
shinman002.jpg
応募作品はサイズを軽くしたデータでも可ですが、最終候補作に選出された場合、オリジナルデータを別途お送りいただく場合があります。

受賞作品はすべて「となりのヤングジャンプ」「ヤンジャン!」アプリに掲載いたします。
さらに優秀作品に関してはヤングジャンプ・グランドジャンプ・ウルトラジャンプ誌面に掲載される場合があります。

受付終了
あしたのヤングジャンプ投稿の場合

各漫画賞のリンクより、アカウントをお持ちの方は投稿フォームから「あしたのヤングジャンプ」規約に従って投稿してください。
投稿作品は通常投稿と異なり、賞の決定まで非公開となります。
ただし、すでに「あしたのヤングジャンプ」内で公開済みの作品の投稿や同一作品を別途投稿することは可能です。
最終候補に残った作者様には編集部からご連絡して、年齢・性別・住所・電話番号・志望雑誌をお聞きいたします。
またその際にオリジナルデータを別途お送りいただきますので保存しておくようお願いいたします。なお、選考結果発表日時は目安です。選考状況によって前後する場合があります。

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YJ編集部TELL

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●あしたのヤングジャンプ投稿の場合
ご自身のダッシュボードの投稿作品一覧より随時差し替え、加筆を行うことが可能です。締め切り時点の画稿にて審査いたします。

応募資格・規約

■応募はプロ・アマ問いません。
■特別な規程のある賞を除きページ数は50ページ以内
■商業媒体未発表(投稿サイトやSNSなどを除く)のオリジナル作に限ります。同じ作品を同時期に他の新人賞(web媒体含む)へ応募するのはご遠慮ください。
■一作品につき一つの賞に応募可能です。
■受賞作品の出版権、上映・上演権、映像化権などの諸権利は集英社に帰属します。
■アナログ原稿は返却いたします。(返却先不明の場合は処分させていただく場合があります)

※応募された個人情報は厳重に管理し、本企画遂行以外の目的に使用することはありません。本企画遂行後、速やかに破棄致します。

審査員
ヤングジャンプ・グランドジャンプ・ウルトラジャンプ編集部&各賞審査員

締切
2020年7月31日(金)
※郵送の場合当日消印有効。

発表
本サイト・となりのヤングジャンプ ・ヤンジャン!アプリを予定。さらに優秀作品に関してはヤングジャンプ・グランドジャンプ・ウルトラジャンプ誌面に掲載される場合があります。

賞金
本サイト内の各賞詳細ページを参照してください。

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