インタビュー アイコン SF漫画賞審査員『GANTZ』『変[HEN]』奥 浩哉

GANTZイラスト

――この度、奥先生には「1億円40漫画賞」の「SF漫画賞」審査員をご担当いただきます。本企画の概要を初めてお聞きした際の感想をうかがえますでしょうか。

奥:単純に「すごいなあ。気合が入っているなあ」と。YJをバリエーション豊富な雑誌にしたいと編集部は思っているんでしょうね。全体では「総額1億円」でも、受賞者たちが手にする賞金はすごく高いわけじゃないんだ。最初はトップの人に1億円をあげるのかと思ったよ(笑)。

――今回、この漫画賞の審査員を引き受けようと思われたきっかけは?

奥:審査員の話ってほとんど断ったことなくて。新人さんの原稿を見るのが好きなんです。これまでにも、いろんな雑誌で賞の審査員を何度もやっています。この人はどういうことを考えて描いているんだろう?と想像しながら見るのが楽しいです。なかには本当に素晴らしいものもあって、そういう作品に当たるのが楽しみですね。

――新人さんが漫画を描くうえで大切なことは、なんだと思いますか?

奥:まずはインプットがあって、それをどうアウトプットするのかが大切だと思います。あと、自分の描きたいものがないのに、入賞目的で世間受けを狙って描いても、いい作品は生まれないんじゃないかな。「これならいける!ほかの作家を出し抜けるぞ!」という、確信の持てるアイデアがないと。ストーリーでも絵でもシーンでも、なんでもいいんです。ひとつ他を引き離すようなワンアイデアがあったほうがいい。 僕は昔から映画をよく観るんですが、映画ってだいたいワンアイデアでできているんですよ。見たことないぞ!? っていう展開だったり、これまでにないようなキャラクターが活躍したり。そういった意味では、読み切り漫画の作りに近いかもしれませんね。僕の観てきた映画には、独自のワンアイデアがあって、それに向けてまわりが肉付けされていると感じたんです。僕の作品を例に挙げると『変(へん)』は、男子高校生が粘膜感染の奇病で女の子になってしまうというストーリーになっています。男女の入れ替わりがテーマの作品はこれまでもあった。それを映画『ザ・フライ』みたいにリアルなビジュアルで描いてみたい、というのがワンアイデアだったんです。これはいけるぞ!と思いましたね。

――連載中の『GIGANT』(小学館)も、誰も発想しえない作品ですよね。

奥:『GIGANT』も絵に現実味がなかったら面白くないと思う。僕のやり方だったら面白くなるんじゃないか、と思ったところから作品のアイデアが浮かんできました。

――胸の描き方が本当に素晴らしいです。乳首が残像を残して動く描写ですね。

奥:YJの漫画賞(「ヤングジャンプ青年漫画大賞」)に出した作品でその描写を使ったんですが、ほかにもいろいろ盛り込んだのに、なぜかそこだけがものすごく一人歩きしちゃって(笑)。後日アシスタントに「先生すごいです! 乳首の残像が、エッチ漫画業界でものすごく流行しまくってますよ」って言われたのをよく覚えていますね。「えー、もっといろいろやったのに、そこだけ!?」って…。エッチ漫画業界に爪痕を残しちゃったのが、心外といいますか(笑)。乳首残像は“動いている感”を出すのが目的だったんです。大友克洋先生がテールランプの残像を描く手法を使っていたので「これだ!」と何気なく取り入れたんですが、こんなに広まるとは思っていなかったですね。

――漫画家になろうと思ったのは、いつでしたか?

奥:小学4年生ですね。手塚治虫先生の『バンパイヤ』を読んで、漫画家かっこいい!と思ったのがきっかけです。次の日から漫画家になるにはどうすればいいか考えて、自分に足りないものを補うために訓練を続けてきました。あのとき漫画家になるぞ!と思ってなかったら、今はなかった。子供の頃から訓練し続けたから、いろんな絵を描けるようになったし、いろんなやり方も思いつきました。漫画家を目指すなら、早ければ早いほうがいいのかもしれないですね。

――具体的には、どのような訓練を?

奥:手塚先生はもちろん、上手いなと思う先生方の絵の模写です。最初は人間が歩いたり走ったりという動きが描けなかったので、動作だけを模写しつづけました。安彦良和先生や、藤子不二雄先生の構図だけをずーっと藁半紙に模写したり、見ないで描いて、お手本と答え合わせをしたり。だんだん動きが描けるようになったら、筋肉や骨も描けるようになりたくて、高校生の頃には美術書を買ってきて参考にしました。 脚本やカメラ、特殊メイク、CGとか、映画関係の裏方本も好きですね。昔から集めていたので、YJ連載開始時にはかなりの数になっていたと思います。兎にも角にも、“自分がやりたい”という原動力が大きかったですね。何も見なくても、人間をどの角度からでも描けるようになりたくて。ただ、ここまでやらないとダメ、っていう意味じゃなくて、僕はただ凝って描きたいってだけなんですけどね(笑)。凝って描くのは、やっぱり楽しいんですよ。漫画は「描かなきゃ」じゃなくて「描きたい!」という前のめりのほうが、いい作品ができると思いますよ。

――新人時代に苦労した思い出は?

奥:映画に出会う前の僕は、何を描いていいかわかりませんでした。担当編集に何か持ってきてと言われても、描きたいものが思い浮かばなかったんです。適当になんとなく描くんだけど、ずっとダメ出しされてはじかれてしまう。そうすると自然と描かなくなってしまうんですよ。でも、時間はあるのでアシスタントの仕事をやりながら、映画を毎日十本ぐらい見続けるような生活を続けていたら、いつの間にか描きたいものが生まれていて。好きな映画が、創作意欲を湧かせる引き金になったのかもしれませんね。

――描きたいものが生まれた、きっかけのような映画はありますか?

奥:『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の1作目ですね。それまではなんとなく映画を鑑賞することも多かったんですが、繰り返し観ているうちに、緻密に計算されているのがわかってきて。こんな風に凝って漫画を作ったら楽しいぞ!と気づかされたんです。 大友克洋先生が、実写映画を漫画に落とし込む手法を確立されていたので、それを学びつつ、自分なりのやり方で技術を磨いていきました。いまも模索している最中ですね。

――SF漫画を描く上で、入れ込んだほうがいい要素などはありますか?

奥:メジャー誌に向くSFは『ドラえもん』だと思う。“ちょっと不思議”、センスオブワンダーが入っているほうが、受け入れられやすいんじゃないかな。設定を凝るのもいいけど、『スターウォーズ』みたいな、ドでかいサーガじゃなくて、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のように、「タイムスリップしたらこういうことになっちゃって、どうしよう!?」って感じの身近な題材が向いていると思います。そこにバイオレンスやメカが入ってもいいけれど、できるだけ親近感のあるネタのほうが僕は好きだし、メジャー漫画誌の読者にマッチしているんじゃないかな。

――SFは子供の頃から好きでしたか?

奥:小学生のときに始まった、『ガンダム』がきっかけですね。僕はハードなSFはあまり好きじゃなかったんで、眉村卓先生の作品や、海外の少年向けSF小説を読んでいました。

――SF漫画賞に応募する人に見ておいてほしい、おすすめ作品はありますか?

奥:自分が見たいやつでいいんじゃないですか。古いのでも新しいのでもいいから、あらすじを見て、単純に面白そうだなと感じたら、見ればいいんじゃないかな。

――今回の賞では、どんな漫画を読んでみたいですか?

奥:サブカルチャーや風刺的なものより、純粋なエンターテインメント作品を期待しています。売れる漫画のメソッドに則っているようなものよりも、「面白ければ、なんでもいい!」とか「こんなの見たことない!」っていう、ワクワクするような作品を読んでみたいですね。

――今回の応募者の方々に、応援メッセージをお願いします。

奥:「人を出し抜いてやろう!一番になるぞ!」という意識を持って、がんばってほしいです。まあ、僕はぜんぜん違いましたけど(笑)。僕は単純に自分が面白いと思うことをやっているだけで、一番になろうとは思わなかった。漫画描いて暮らせればいいや、ぐらいにしか考えてなかったな。もちろん、一番になってやる!っていう勢いのある人のほうが、いい作品を描ける可能性があるし、自分の中に「俺はそこらへんの新人と違うぞ!」という自信と根拠があるだけでもいいんじゃないかな。

賞金総額

応募資格:プロ・アマ問わず/ページ数:50ページ以内/一作品につき一つの賞に応募可能です。

受賞作はとなりのヤングジャンプ ・ヤンジャン!アプリに掲載予定です。さらに優秀作品に関してはヤングジャンプ・グランドジャンプ・ウルトラジャンプ誌面に掲載される場合があります。また、大賞・準大賞・審査員特別賞の受賞者は2021年1月開催予定の授賞式にもご招待いたします。(※交通費の支給は大賞受賞者ご本人様のみとなります)

最終候補作投稿者にはヤングジャンプ定期購読デジタルが1年間無料となる特典もございます。


※各漫画賞ごとに審査のうえ、受賞作を決定します。
※受賞本数内訳は各審査結果により異なり、各漫画賞の賞金250万円の内訳は各漫画賞で異なります。
※全40漫画賞の賞金総額が最大で1億円となります。
※賞によっては条件の異なるものもございます。詳細は賞ごとの概要をご確認ください。
※商業媒体未発表(投稿サイトやSNSなどを除く)のオリジナル作に限ります。同じ作品を同時期に他の新人賞(web媒体含む)へ応募するのはご遠慮ください。
※受賞作品の出版権、上映・上演権、映像化権などの諸権利は集英社に帰属します。
※応募された個人情報は厳重に管理し、本企画遂行以外の目的に使用することはありません。本企画遂行後、速やかに破棄致します。

郵送の場合

宛先
〒101-8052
神田郵便局 郵便私書箱 第66号
「1億円40漫画賞」係
※返却原稿用封筒を同封してください。切手不要です。

<郵送用書式をダウンロードする>

記入事項
原稿の最終ページ裏に下記を記入してください。
■郵便番号
■住所
■氏名(本名とペンネーム)・年齢
■職業
■電話番号(都合の良い時間帯も)
■今までの投稿・掲載歴
■志望雑誌(ヤングジャンプ・となりのヤングジャンプ&ヤンジャン!アプリ・グランドジャンプ・ウルトラジャンプ)※複数回答可
■作品を投稿する賞名 ※一作品につき一つの賞に応募可能です

※手書きの場合はB4判の紙に黒インクか墨汁で描き、セリフは鉛筆で濃く書いてください。絵柄にかかる場合はトレーシングペーパーの上に。版面は270×180ミリ(右図参照)。

原稿サイズ
WEBの場合

応募フォームより必要事項を入力の上、原稿データをアップロードしてください。

原稿作成時のデータは指定なく自由に作成可能ですが、提出にはweb掲載用としてjpegもしくはpngファイルにてアップロードしてください。
原稿は原則として、アナログ原稿の版面に準じます。
B4サイズでプリントアウトされるように設定し、その際、上下左右20mm以上の余白が出来るように作成してください。
各ページに必ずノンブル(ページ番号)を記載してください。
ファイルサイズの上限は100MBです。
そのサイズを超える作品は、CD-Rなどに書き込み、プリントアウトを別途添えて郵送にてご応募ください。

アップロードするファイルは圧縮し、ファイル名は「(作品名の半角英数小文字).zip」でお願いします。
例)shinman.zip

各頁jpeg/pngファイルのファイル名は半角アルファベットのタイトル名+ページ数3桁でお願いします。
例)
shinman001.jpg
shinman002.jpg
応募作品はサイズを軽くしたデータでも可ですが、最終候補作に選出された場合、オリジナルデータを別途お送りいただく場合があります。

受賞作品はすべて「となりのヤングジャンプ」「ヤンジャン!」アプリに掲載いたします。
さらに優秀作品に関してはヤングジャンプ・グランドジャンプ・ウルトラジャンプ誌面に掲載される場合があります。

受付終了
あしたのヤングジャンプ投稿の場合

各漫画賞のリンクより、アカウントをお持ちの方は投稿フォームから「あしたのヤングジャンプ」規約に従って投稿してください。
投稿作品は通常投稿と異なり、賞の決定まで非公開となります。
ただし、すでに「あしたのヤングジャンプ」内で公開済みの作品の投稿や同一作品を別途投稿することは可能です。
最終候補に残った作者様には編集部からご連絡して、年齢・性別・住所・電話番号・志望雑誌をお聞きいたします。
またその際にオリジナルデータを別途お送りいただきますので保存しておくようお願いいたします。なお、選考結果発表日時は目安です。選考状況によって前後する場合があります。

受付終了
持ち込みの場合

持ち込みご希望の場合は、平日の13時~ヤングジャンプ編集部までご連絡ください。
YJ編集部TELL

東京都千代田区神田神保町3-13
集英社 週刊ヤングジャンプ編集部
地下鉄『神保町』駅(東京メトロ半蔵門線・都営新宿線・都営三田線)下車(A1出口より)徒歩2分。

地図
応募済みの作品の再投稿について

締め切りの延長に伴い、ご応募が完了している作品の再投稿を以下の通り受け付けます。

●郵送の場合/持ち込みの場合
郵送用封筒、もしくは原稿に付記されている住所に再投稿用の規定をまとめた書面をお送りいたします。書面の案内に従って再投稿申請をいただいた方に原稿の返却を行いますので、加筆・修正後、締め切りまでに再投稿をお願いいたします。

●WEB投稿の場合
修正した同作品の再アップロードをお願いいたします。同じ作品がアップされている場合、締め切り時点での最新の画稿にて審査いたします。

●あしたのヤングジャンプ投稿の場合
ご自身のダッシュボードの投稿作品一覧より随時差し替え、加筆を行うことが可能です。締め切り時点の画稿にて審査いたします。

応募資格・規約

■応募はプロ・アマ問いません。
■特別な規程のある賞を除きページ数は50ページ以内
■商業媒体未発表(投稿サイトやSNSなどを除く)のオリジナル作に限ります。同じ作品を同時期に他の新人賞(web媒体含む)へ応募するのはご遠慮ください。
■一作品につき一つの賞に応募可能です。
■受賞作品の出版権、上映・上演権、映像化権などの諸権利は集英社に帰属します。
■アナログ原稿は返却いたします。(返却先不明の場合は処分させていただく場合があります)

※応募された個人情報は厳重に管理し、本企画遂行以外の目的に使用することはありません。本企画遂行後、速やかに破棄致します。

審査員
ヤングジャンプ・グランドジャンプ・ウルトラジャンプ編集部&各賞審査員

締切
2020年7月31日(金)
※郵送の場合当日消印有効。

発表
本サイト・となりのヤングジャンプ ・ヤンジャン!アプリを予定。さらに優秀作品に関してはヤングジャンプ・グランドジャンプ・ウルトラジャンプ誌面に掲載される場合があります。

賞金
本サイト内の各賞詳細ページを参照してください。

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