インタビュー アイコン ラブコメ漫画賞審査員『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』赤坂アカ

かぐや様カット

――初めて今回の企画をお聞きになった時は、どう思われましたか?

赤:まず、ライバルが増えると困るなと思いました(笑)。あとは漫画家のアシスタントさんが応募すればいいのにと思いました。僕にもアシスタントさんが5人ほどいて、みんなデビューを目指しているのですが、描かない期間が長くなっている人が多いんですよ。そういう人たちを漫画の現場にうまく連れ戻せるんじゃないかなと。応募できる賞がたくさんあるので、見切り発車でもとにかく「出してみようかな」って思って描き始めて、完成させて出すっていう流れが出来ますよね。漫画を1本完成させるためには、いかにモチベーションのセルフコントロールができるかが大事だと思っているので、こういう賞があるとモチベーションを上げるきっかけになってすごくいいなと思いました。

――モチベーションを維持するためにしていることはなんですか?

赤:暇さえあればスマホをいじったりして、なかなかモチベーションを上げられないタイプなので、カフェに行きます。自宅にスマホを置いて出掛ければ、もう仕事しかしなくなるじゃないですか(笑)。自分と漫画をどう向き合わせるかを考えることが大事だと思います。「自分はさぼりやすい」「これしか興味がない」「こうすればモチベーションが上がる」とか、自分の性質を自己分析して実践していくっていうことが重要かなと思いますね。

――新人時代に辛かったこと、またそれを乗り越えられたエピソードなどはありますか?

赤:僕は最後まで描き上げられないことが一番の悩みでした。脳内にストーリーはあるのに、ネームの段階でつまずくんですよ。「こんな話が面白いはずない」って思ってしまって、描いている途中で諦めちゃうんです。でも片岡人生先生のアシスタント時代に、先生のネームをたくさん見たことがいい方向に働いて、徐々にネームが描けるようになりました。“何を見せるためにネームを描くのか”という、こだわりポイントがわかったことが大きいです。ただ漫然とネームを描いていると、正解がわからなすぎて不安になっちゃうんですよ。自分の中で正解を1個用意しておけば、その正解を補強するようにネームが描けるようになることもあるんですよね。
今なら当たり前のことなんですけど、インパクトのあるコマをページの最初にするために次のページまでのコマとかセリフ、展開の調整をしていくってことも、新人時代はわかっていなかったです。「スピード感がある時はこういう風にネームを切っていくんだ」「重厚な感じでいきたいならこうかな」といったコマ割りやネームのルールがあるので、それに気づくことが重要なのかなと。それはたくさん漫画を読んでいてもなかなか辿り着けないので、実際に描いていかないとわからないと思います。

――最初にストーリーを組んでからネームを描かれるんですか?

赤:僕は“小説型”なので、まず文章でストーリーを打ち込んで、それを18ページに割ってから、めくりとかコマ割りを調整しています。ストーリーと同時にネームを描く“センス型”の人って多いんですけど、僕は色んなことを一気にやろうとすると投げ出したくなっちゃうことがあるので(笑)。
実際にどれくらいの文章量がどれくらいのページ数になるのか、最初はわからないと思うんですが、18ページであればストーリーを18ツイート分用意して、1ページ毎に割り振っていくイメージでいけば誰でも描けると思うんです。「18ツイート漫画賞」とかも作ったら面白いかもしれないですね(笑)。

――自分に合ったやり方を探すことで、結果的に自己分析へ繋がりますね。

赤:細かいことを一個ずつ片づけてから理詰めで形にしていけば、心理的ハードルが一番低くなると思っています。もちろん、かっこいいコマ割りをこだわりたいという“絵優先型”の人は、それはそれでいいと思います。ネームでつまずいた時の打開策のひとつとして考えてもらえたら。絵が描けないから漫画家を目指さないって人も多いと思うんですけど、漫画って絵が描けなくてもいいんじゃないかと思うこともあるんですよね。「白ハゲ漫画」でもいいからみんな応募すればいいのに! って思います。
……ひとつ提案なんですけど、ラブコメ漫画賞は「白ハゲ漫画でもどうぞ!」ってことにしませんか(笑)? 「棒人間」って言い方のほうがわかりやすいですかね。まずは18ツイートでストーリーを書いてみて、白ハゲ漫画でもいいのでお待ちしております(笑)。ネームオンリー漫画賞もあるみたいですが、一応ラブコメ漫画賞でも白ハゲOKということにしておいてください(笑)。小学生が応募してきてもいいですし!

――たしかに、それだとハードルがすごく下がっていいですね(笑)。昔から漫画自体には興味があったんですか?

赤:幼い頃に『魔法陣グルグル』(エニックス ※現:スクウェア・エニックス)の作者・衛藤ヒロユキさんにお会いしたことがありまして。その時に「あ、漫画家って実在するんだ」「こういう風になれたらいいな」という気持ちが芽生えたんじゃないかなと思っています。小学校くらいから「僕がゲームの中に入ってしまったら…!?」とか妄想ばかりして、『ソードアート・オンライン』(KADOKAWA)でその妄想が形になったのを見て「あ、先にやられた!」と思っていました(笑)。
小学校の時からずっと漫画家になりたいと思って、絵も描いていたんですよ。よく漫画家を目指そうと思ったなってくらい、超ヘタクソでしたけど(笑)。「小学生漫画家とかすごくね!?」と考えていたものの、一向にデビューの気配もなく、漫画自体も完成させられず…(笑)。ちゃんと絵を描き始めたのは、高校1年生の時にペンタブを手に入れてからでしたね。僕にとっては、間違えて線を引いてもやり直せる “Undoのある世界”がすごく居心地よかったんです。その世界では、何度もトライ&エラーをして奇跡的にいい線が1本描けたりするんですよ。それを繰り返して奇跡の1本線を集めていけばいいんだ、と思って描いていました。なので昔はイラストを一枚描くのにすごく時間がかかって、でも楽しみながら描いていました。

――トライ&エラーを何度もすることを、努力してやられていたんですね。

赤:努力が続いたためしがないんですよ。なので「努力」ではなく「慣れ」です! 楽しいから中毒になってやめられない、が正解だと思います。そうなるように自分を調整していくことができたら勝ちなんです。だから漫画が完成する瞬間はやっぱり楽しいですね! 描いていく上で一番モチベーションをコントロールしているのは締め切りかもしれません。もし締め切りがなくて、「最高傑作を描いてください!」って言われたら、絶対に描けないです(笑)。自分の意志+人を巻き込むっていうことも大事だと思います。自分を怒ってくれる人がいるとなおいいですし、あえて逃げられない場所やストレスをかけることが有効な手段だったりしますね。
週刊連載を目指す人ってすごく少ないですし、僕も絶対できないと思っていましたが、なんとかなっているのは締め切りがあるからなんですよね。僕にはやる気スイッチがないので、締め切りを提示してくれるYJさんにはありがたいなと思っています。締め切りという概念だけはいつも恨んでますが(笑)。

――月刊誌から週刊誌に移籍された際に、調整した点はありますか?

赤:最初は週刊連載を恐れていたので、自分が一番早く描ける絵柄でスタートしました。スピード重視の絵柄から、徐々に調整していきましたね。僕はストーリーを重視しているので、絵は伝わればいいかな、くらいの形でやろうと思ってました。最初はあえて下手に描くくらいで、徐々に絵のレベルを上げていければいいかなと。
「漫画1本を描くのにこんなに時間がかかっているから、週刊誌なんて無理だろう」と思っている人も、本当は締め切りがあれば描けるタイプかもしれないですし、安心して週刊誌に挑んで欲しいなと思います。漫画家を目指すみなさんに締め切りを与えてくれる場所が、この「1億円40漫画賞」なんじゃないかな(笑)!

――ラブコメを描くにあたり、何か参考にされた作品があれば教えてください。

赤:平成のラブコメは、最初『うる星やつら』『らんま1/2』(ともに高橋留美子/小学館)とかの“ドタバタギャグ”が主流だったんですよ。それが徐々に少女漫画化とハーレムものの二極化していくんですけど、『I”s』『電影少女』(ともに桂正和/集英社)はすごく少女漫画的だと感じまして。初めてラブコメに触れる人にも楽しめる作品だなと思って、これらの作品は『かぐや様』でも参考にさせていただいています。
一番影響を受けている作品としては『天使な小生意気』(小学館)ですね。西森博之先生が大好きです! 先生の作品を読んでいると、女の子がパンツ見えちゃって「キャー!」って叫ぶようなラブコメのテンプレを、「リアルだったらこう動くよね」って思考停止させずに考えて描くことが大事だなと感じます。

――今のラブコメに必要な要素はなんだと思いますか?

赤:ちゃんとキャラクターが生きてるっていうことが大事だと思います。今の流行りとしては関係性ですかね。キャラクターの個性は、誰かと誰かの関係性、いわゆる対比によって成り立つと思うんですよ。例えば超ガラの悪いヤンキーがいたとしたら、不良高校だと馴染みすぎちゃうから可愛い女の子とかサラリーマンのおじさんと対比させてみよう、とか。その子が持っている個性を引き出せる相手や環境を当てはめてあげれば、みんながそのキャラクターの良さに気づくんじゃないですかね。
お互い引き立て合ってることを、2人とかの最小の関係で出来たらすごくいいなと思います。ラブコメっていうのは、それをやるところじゃないかなと思ってますね。恋愛漫画と違うのは、そういうところなんじゃないかな。

――では、今回の漫画賞の応募作品では関係性がしっかり描かれている作品を読んでみたいですか?

赤:そうですね。でも逆に僕の考えを壊してくれる漫画も読んでみたいです。あとは、感情に嘘をつかないで描いて欲しいですね。キャラクターが持っている感情を引き立てて、それをリアルに咀嚼して描いている作品が読みたいです。『僕の心のヤバイやつ』(桜井のりお/秋田書店)とかは細かいところまで注意深く描かれていて、さすが女性作家さんだなぁと思いました。女性のほうが日常をよく観察してると思うんですよね。YJさんは青年誌ではありますが、ぜひ女性の方にも応募していただきたいです。

――では最後に、応募者の方へエールをお願いします。

赤:大人になると、“描けなかった”が“描ける”になる瞬間が意外とあると思うんですよ。「昔漫画を描いてダメだった」「ネームで諦めちゃった」って人も、ぜひ今回の漫画賞にチャレンジして欲しいですね! 表に出なかったような才能を見てみたいなと思っています。今は絵が上手い方が多いのでイラストのハードルも上がっていると思いますが、ラブコメ漫画賞は白ハゲ漫画も受け付けております!

賞金総額

応募資格:プロ・アマ問わず/ページ数:50ページ以内/一作品につき一つの賞に応募可能です。

受賞作はとなりのヤングジャンプ ・ヤンジャン!アプリに掲載予定です。さらに優秀作品に関してはヤングジャンプ・グランドジャンプ・ウルトラジャンプ誌面に掲載される場合があります。また、大賞・準大賞・審査員特別賞の受賞者は2021年1月開催予定の授賞式にもご招待いたします。(※交通費の支給は大賞受賞者ご本人様のみとなります)

最終候補作投稿者にはヤングジャンプ定期購読デジタルが1年間無料となる特典もございます。


※各漫画賞ごとに審査のうえ、受賞作を決定します。
※受賞本数内訳は各審査結果により異なり、各漫画賞の賞金250万円の内訳は各漫画賞で異なります。
※全40漫画賞の賞金総額が最大で1億円となります。
※賞によっては条件の異なるものもございます。詳細は賞ごとの概要をご確認ください。
※商業媒体未発表(投稿サイトやSNSなどを除く)のオリジナル作に限ります。同じ作品を同時期に他の新人賞(web媒体含む)へ応募するのはご遠慮ください。
※受賞作品の出版権、上映・上演権、映像化権などの諸権利は集英社に帰属します。
※応募された個人情報は厳重に管理し、本企画遂行以外の目的に使用することはありません。本企画遂行後、速やかに破棄致します。

郵送の場合

宛先
〒101-8052
神田郵便局 郵便私書箱 第66号
「1億円40漫画賞」係
※返却原稿用封筒を同封してください。切手不要です。

<郵送用書式をダウンロードする>

記入事項
原稿の最終ページ裏に下記を記入してください。
■郵便番号
■住所
■氏名(本名とペンネーム)・年齢
■職業
■電話番号(都合の良い時間帯も)
■今までの投稿・掲載歴
■志望雑誌(ヤングジャンプ・となりのヤングジャンプ&ヤンジャン!アプリ・グランドジャンプ・ウルトラジャンプ)※複数回答可
■作品を投稿する賞名 ※一作品につき一つの賞に応募可能です

※手書きの場合はB4判の紙に黒インクか墨汁で描き、セリフは鉛筆で濃く書いてください。絵柄にかかる場合はトレーシングペーパーの上に。版面は270×180ミリ(右図参照)。

原稿サイズ
WEBの場合

応募フォームより必要事項を入力の上、原稿データをアップロードしてください。

原稿作成時のデータは指定なく自由に作成可能ですが、提出にはweb掲載用としてjpegもしくはpngファイルにてアップロードしてください。
原稿は原則として、アナログ原稿の版面に準じます。
B4サイズでプリントアウトされるように設定し、その際、上下左右20mm以上の余白が出来るように作成してください。
各ページに必ずノンブル(ページ番号)を記載してください。
ファイルサイズの上限は100MBです。
そのサイズを超える作品は、CD-Rなどに書き込み、プリントアウトを別途添えて郵送にてご応募ください。

アップロードするファイルは圧縮し、ファイル名は「(作品名の半角英数小文字).zip」でお願いします。
例)shinman.zip

各頁jpeg/pngファイルのファイル名は半角アルファベットのタイトル名+ページ数3桁でお願いします。
例)
shinman001.jpg
shinman002.jpg
応募作品はサイズを軽くしたデータでも可ですが、最終候補作に選出された場合、オリジナルデータを別途お送りいただく場合があります。

受賞作品はすべて「となりのヤングジャンプ」「ヤンジャン!」アプリに掲載いたします。
さらに優秀作品に関してはヤングジャンプ・グランドジャンプ・ウルトラジャンプ誌面に掲載される場合があります。

WEBで投稿する
あしたのヤングジャンプ投稿の場合

各漫画賞のリンクより、アカウントをお持ちの方は投稿フォームから「あしたのヤングジャンプ」規約に従って投稿してください。
投稿作品は通常投稿と異なり、賞の決定まで非公開となります。
ただし、すでに「あしたのヤングジャンプ」内で公開済みの作品の投稿や同一作品を別途投稿することは可能です。
最終候補に残った作者様には編集部からご連絡して、年齢・性別・住所・電話番号・志望雑誌をお聞きいたします。
またその際にオリジナルデータを別途お送りいただきますので保存しておくようお願いいたします。なお、選考結果発表日時は目安です。選考状況によって前後する場合があります。

あしたのヤングジャンプで投稿する
持ち込みの場合

持ち込みご希望の場合は、平日の13時~ヤングジャンプ編集部までご連絡ください。
YJ編集部TELL

東京都千代田区神田神保町3-13
集英社 週刊ヤングジャンプ編集部
地下鉄『神保町』駅(東京メトロ半蔵門線・都営新宿線・都営三田線)下車(A1出口より)徒歩2分。

地図
応募済みの作品の再投稿について

締め切りの延長に伴い、ご応募が完了している作品の再投稿を以下の通り受け付けます。

●郵送の場合/持ち込みの場合
郵送用封筒、もしくは原稿に付記されている住所に再投稿用の規定をまとめた書面をお送りいたします。書面の案内に従って再投稿申請をいただいた方に原稿の返却を行いますので、加筆・修正後、締め切りまでに再投稿をお願いいたします。

●WEB投稿の場合
修正した同作品の再アップロードをお願いいたします。同じ作品がアップされている場合、締め切り時点での最新の画稿にて審査いたします。

●あしたのヤングジャンプ投稿の場合
ご自身のダッシュボードの投稿作品一覧より随時差し替え、加筆を行うことが可能です。締め切り時点の画稿にて審査いたします。

応募資格・規約

■応募はプロ・アマ問いません。
■特別な規程のある賞を除きページ数は50ページ以内
■商業媒体未発表(投稿サイトやSNSなどを除く)のオリジナル作に限ります。同じ作品を同時期に他の新人賞(web媒体含む)へ応募するのはご遠慮ください。
■一作品につき一つの賞に応募可能です。
■受賞作品の出版権、上映・上演権、映像化権などの諸権利は集英社に帰属します。
■アナログ原稿は返却いたします。(返却先不明の場合は処分させていただく場合があります)

※応募された個人情報は厳重に管理し、本企画遂行以外の目的に使用することはありません。本企画遂行後、速やかに破棄致します。

審査員
ヤングジャンプ・グランドジャンプ・ウルトラジャンプ編集部&各賞審査員

締切
2020年7月31日(金)
※郵送の場合当日消印有効。

発表
本サイト・となりのヤングジャンプ ・ヤンジャン!アプリを予定。さらに優秀作品に関してはヤングジャンプ・グランドジャンプ・ウルトラジャンプ誌面に掲載される場合があります。

賞金
本サイト内の各賞詳細ページを参照してください。

TOP | 各漫画賞 | 応募資格・利用規約