インタビュー アイコン 天才主人公型スポーツ漫画賞審査員 TV東京『ゴッドタン』プロデューサー 佐久間 宣行氏

佐久間 宣行氏写真

――ヤングジャンプ創刊40周年を記念して行われるこの度の漫画賞ですが、審査員を依頼されたときは、どんなご印象を持たれましたか?

佐:びっくりしましたね。僕がパーソナリティを務めるラジオ番組のオンエアーでこの漫画賞の話題になって、「僕も審査員やりたい」って冗談半分で言ったら、オファーがきたので(笑)。最初は「スポーツ漫画賞」と聞いて気後れしたんですが、野球やサッカーは別部門だったので、ほっとしました(笑)。

――子供の頃から漫画はお好きだったんでしょうか?

佐:僕は昭和50年生まれで、まさに「週刊少年ジャンプ」(以下:ジャンプ)黄金世代。小学生のときはみんな『キン肉マン』(ゆでたまご)の消しゴムを集めていたし、『ストップ!! ひばりくん!』(江口寿史)、『Dr.スランプ アラレちゃん』『ドラゴンボール』(ともに鳥山明)も大人気だった。しばらくすると『SLAM DUNK』(井上雄彦)がスタートして。
士郎正宗先生の作品も大好きで、『ブラックマジック』(青心社)の初版本も持ってますよ。小説もジャンル問わずなんでも読んでいました。特に好きだったのは『創竜伝』(田中芳樹/講談社ノベルス)や『ロードス島戦記』(水野 良/角川スニーカー文庫)で、大学時代にはアイザック・アシモフをずっと読んでいましたね。

――審査員を引き受けられた理由には、そういった漫画好きの部分も大きく関係しているんですね。

佐:そうですね。学生の頃は音楽・漫画・映画によく刺激をもらっていたので、漫画は身近な存在ではあります。編集者の友人も多いので漫画家さんと飲みに行く機会もありますし、仕事で漫画の帯のキャッチコピーを依頼されることもあります。

――今回「天才主人公型スポーツ」漫画賞の審査員をされますが、佐久間さんの考える「天才」とは?

佐:「天才」は、世の中に“合わせに行く”んじゃなくて、世の中が天才に“合ってくる”というイメージがありますね。たとえば劇団ひとり、バカリズム、バナナマン、ザキヤマ(山崎弘也)、おぎやはぎなど、僕が仕事で接してきた天才芸人たちは、誰かの影響でブレないんです。若手の頃から自分のスイングはずっと変えずに磨き続けていて、それが世の中と合ったからホームランになって売れた。なので、天才であるが故に、売れるまでには理解されずに我慢した経験も多いんじゃないでしょうか。

――佐久間さんご自身にも、仕事で理解されずに我慢した経験などあったのでしょうか。

佐:僕は一度も自分が「出来る」と思ったことはないです。天才を前にして「この人の実力を引き出すには、どういう自転車がいいか?」とか「今回は100メートル走だから、どういうシューズなら速くかっこよく走れるかな?」ということを、ずっと考えてきました。エンジニアに近い立ち位置で、番組を作ってきましたね。

――もし佐久間さんがスポーツ漫画をプロデュースするとしたら、どんな種目やテーマにしますか?

佐:断然、駅伝ですね。駅伝は群像劇だけど、競技中は個人の勝負になる。ランナーたちの寮生活から描いたら、面白い漫画になりそうですよね。

――駅伝は日本ならではの競技なので面白いかもしれませんね。佐久間さんご自身は、どのようなスポーツ経験をお持ちなんでしょうか?

佐:小学生の頃は剣道、中学高校時代はバスケットボール部でした。バスケットボールはセンスがなかったんですが、なぜか選抜チームに呼ばれたことがあって。その理由が「ベンチでの声がすごくいい!」だった。プレイそのものではなく、野次勝負のスポーツ漫画なんかがあっても面白そうですね(笑)。高校の途中からは、演劇に夢中になりました。

――運動部から文化部へと転身したわけですね。現在注目している演目や劇団はありますか?

佐:最近応援しているのは「劇団あはひ」です。現役大学生だけで構成されていて、本多劇場で史上最年少公演を達成しています。古典落語の『粗忽長屋』や、能の『隅田川』などをベースに演じる劇団で、スタイリッシュでかっこいいんです。
彼らはヒップホップ世代だからなのか、リミックスがすごくうまい。僕らのようなレコード屋を漁っていた世代だと、どうしても「見つけましたぜ!」「このネタ持ってきましたぜ!」みたいなニュアンスになっちゃう(笑)。でも彼らはミニマルに引き算のリミックスができるから、もとのトーンが崩れていない。若い子たちは、古典も新しいものも並列に扱って同じテンションでリミックスできるんです。世代の違いを感じますね。
こういう引き算のリミックスは、漫画でも使えるテクニックだと思います。逆にゴテゴテに盛り込んだ、足し算の漫画も面白いかもしれないけど(笑)。

――佐久間さんのアイデアの生み出し方も、今と昔とでは違うのでしょうか?

佐:アイデアの生まれ方は、年齢によって変わってきていますね。20代の頃は、根っこに世間への怒りや違和感があった。そういう自分の疑問や思いを視聴者に伝えることが、番組の企画になることもありましたね。でも今は、もっとこの人の魅力を伝えたいとか、良さを認めてあげてほしいとかが強くなっています。ほんのちょっぴりですが、優しさのほうが先にあるかも(笑)。

――現在のようなご自身のスタンスやスタイルが確立されるまでには、大変なことも経験されているのでは?

佐:20年前のテレビ業界はADの立場が非常に低くて、今なら完全にアウトなパワーハラスメントのニオイがする世界でした(笑)。クリエイティブなことがしたくてこの業界に入ったのに、ただただ重労働ばかりで(笑)。日々の仕事と、自分のやりたいことがつながっている実感を持てなかった時期でしたね。
ですが、あるとき関わっていた深夜ドラマで、「女子高生がサッカー部の先輩のために作った弁当」を小道具として作ることになったんです。仕事を終えて深夜に弁当を作りながら「なんでこんなことしなきゃならないんだ!」って本当に頭にきたんですが、弁当箱にフィールドの芝生を再現したり、おにぎりをサッカーボール型にしたりと一生懸命作ったら、弁当の出来栄えがよくて台本が少し変更になったんです。「ADの仕事もクリエイティブに参加できるんだな」と思えた最初のきっかけでした。これ以降、仕事の仕方が明確に変わりましたね。

――小さなことにも手を抜かず、向き合った結果ですね。

佐:それともうひとつ。僕が若い頃、当時のテレビ東京にはお笑い番組がなくて、企画も通らなかったんですよ。それでもめげずにお笑いの企画を出し続けていたら、社内で僕のキャラクターが徐々にできあがってきて、芸人さんが絡む番組があると声がかかるようになったんです。企画は通して形にするだけがゴールじゃなくて、出して人に見せることで名刺代わりにもなることがわかりました。そこに至るまで3年くらいかかりましたけど(笑)。
僕はどの番組でも、自分が納得できる部分をひとつでも作れれば、結果が伴わなくても先につながると思って仕事してきました。小さい番組でも「ここは他の番組と違って新しい」とか、予算がなくても「このお笑い部分への挑戦だけは達成した」とか。ビジネスとしてやらなくてはならない番組があったとしても、たったひとつ自分が納得できるものを見つけられると、気持ちが折れずに続けられると思います。他人には見えない細部であっても手を抜かないほうが、後悔も少ないですしね。

――最後まで見てもらえる作品を作るためには、どんなことが必要でしょうか?

佐:お笑いの場合、ダウンタウンの松本人志さんなら、前フリがどれだけ長くても観客は待ってくれる。でも同じネタでも、新人がやるとそうはいかない。だから僕は、若手芸人が出演する番組は、視聴者が早い段階で彼らを面白いと思えるように編集しています。
漫画も似たところはあるんじゃないかな。ダウンタウンさんが描いた漫画なら何十ページでも読んでみようとなるだろうけど、新人の漫画だと読んでもらえない。だから状況説明の前フリはできるだけ短くして、最初に「ちょっと変わっているな」「面白いことをしているな」と思ってもらえるような掴みを持ってくるといいと思います。

――「状況説明がどうしても長くなる…」という方に、コツはありますか?

佐:前フリを短くするのに、きっとセンスは必要ありません。そこは努力で補えるはずです。あと、状況をただ説明しているだけでは興味を持ちづらいですよね。何かが起こることで自然と状況が理解できるほうが、読んでいて面白いですよ。世界観の説明だけで完結させられるのは、士郎正宗先生のような天才だけかもしれませんね(笑)。

――最後に、漫画賞への応募を考えている皆さんにエールをお願いします。

佐:『ちはやふる』(末次由紀/講談社)や『3月のライオン』(羽海野チカ/白泉社)など、文化系漫画ではスポ根の天才表現が見られますが、最近のスポーツ漫画は地道な努力を描いたものが多い印象です。今回の漫画賞をきっかけに「スポーツ天才もの」の波が戻ってきたら嬉しいですよね。こんなにワクワクして、ホームランを打ったらかっこいいジャンルはなかなか無い。挑戦する価値のあるジャンルだと思います。
最初から正解を見つけて売れる人は、そんなに多くいません。とにかくたくさんの作品を描いて、どんどん出してみてください!

賞金総額

応募資格:プロ・アマ問わず/ページ数:50ページ以内/一作品につき一つの賞に応募可能です。

受賞作はとなりのヤングジャンプ ・ヤンジャン!アプリに掲載予定です。さらに優秀作品に関してはヤングジャンプ・グランドジャンプ・ウルトラジャンプ誌面に掲載される場合があります。また、大賞・準大賞・審査員特別賞の受賞者は2021年1月開催予定の授賞式にもご招待いたします。(※交通費の支給は大賞受賞者ご本人様のみとなります)

最終候補作投稿者にはヤングジャンプ定期購読デジタルが1年間無料となる特典もございます。


※各漫画賞ごとに審査のうえ、受賞作を決定します。
※受賞本数内訳は各審査結果により異なり、各漫画賞の賞金250万円の内訳は各漫画賞で異なります。
※全40漫画賞の賞金総額が最大で1億円となります。
※賞によっては条件の異なるものもございます。詳細は賞ごとの概要をご確認ください。
※商業媒体未発表(投稿サイトやSNSなどを除く)のオリジナル作に限ります。同じ作品を同時期に他の新人賞(web媒体含む)へ応募するのはご遠慮ください。
※受賞作品の出版権、上映・上演権、映像化権などの諸権利は集英社に帰属します。
※応募された個人情報は厳重に管理し、本企画遂行以外の目的に使用することはありません。本企画遂行後、速やかに破棄致します。

郵送の場合

宛先
〒101-8052
神田郵便局 郵便私書箱 第66号
「1億円40漫画賞」係
※返却原稿用封筒を同封してください。切手不要です。

<郵送用書式をダウンロードする>

記入事項
原稿の最終ページ裏に下記を記入してください。
■郵便番号
■住所
■氏名(本名とペンネーム)・年齢
■職業
■電話番号(都合の良い時間帯も)
■今までの投稿・掲載歴
■志望雑誌(ヤングジャンプ・となりのヤングジャンプ&ヤンジャン!アプリ・グランドジャンプ・ウルトラジャンプ)※複数回答可
■作品を投稿する賞名 ※一作品につき一つの賞に応募可能です

※手書きの場合はB4判の紙に黒インクか墨汁で描き、セリフは鉛筆で濃く書いてください。絵柄にかかる場合はトレーシングペーパーの上に。版面は270×180ミリ(右図参照)。

原稿サイズ
WEBの場合

応募フォームより必要事項を入力の上、原稿データをアップロードしてください。

原稿作成時のデータは指定なく自由に作成可能ですが、提出にはweb掲載用としてjpegもしくはpngファイルにてアップロードしてください。
原稿は原則として、アナログ原稿の版面に準じます。
B4サイズでプリントアウトされるように設定し、その際、上下左右20mm以上の余白が出来るように作成してください。
各ページに必ずノンブル(ページ番号)を記載してください。
ファイルサイズの上限は100MBです。
そのサイズを超える作品は、CD-Rなどに書き込み、プリントアウトを別途添えて郵送にてご応募ください。

アップロードするファイルは圧縮し、ファイル名は「(作品名の半角英数小文字).zip」でお願いします。
例)shinman.zip

各頁jpeg/pngファイルのファイル名は半角アルファベットのタイトル名+ページ数3桁でお願いします。
例)
shinman001.jpg
shinman002.jpg
応募作品はサイズを軽くしたデータでも可ですが、最終候補作に選出された場合、オリジナルデータを別途お送りいただく場合があります。

受賞作品はすべて「となりのヤングジャンプ」「ヤンジャン!」アプリに掲載いたします。
さらに優秀作品に関してはヤングジャンプ・グランドジャンプ・ウルトラジャンプ誌面に掲載される場合があります。

受付終了
あしたのヤングジャンプ投稿の場合

各漫画賞のリンクより、アカウントをお持ちの方は投稿フォームから「あしたのヤングジャンプ」規約に従って投稿してください。
投稿作品は通常投稿と異なり、賞の決定まで非公開となります。
ただし、すでに「あしたのヤングジャンプ」内で公開済みの作品の投稿や同一作品を別途投稿することは可能です。
最終候補に残った作者様には編集部からご連絡して、年齢・性別・住所・電話番号・志望雑誌をお聞きいたします。
またその際にオリジナルデータを別途お送りいただきますので保存しておくようお願いいたします。なお、選考結果発表日時は目安です。選考状況によって前後する場合があります。

受付終了
持ち込みの場合

持ち込みご希望の場合は、平日の13時~ヤングジャンプ編集部までご連絡ください。
YJ編集部TELL

東京都千代田区神田神保町3-13
集英社 週刊ヤングジャンプ編集部
地下鉄『神保町』駅(東京メトロ半蔵門線・都営新宿線・都営三田線)下車(A1出口より)徒歩2分。

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応募済みの作品の再投稿について

締め切りの延長に伴い、ご応募が完了している作品の再投稿を以下の通り受け付けます。

●郵送の場合/持ち込みの場合
郵送用封筒、もしくは原稿に付記されている住所に再投稿用の規定をまとめた書面をお送りいたします。書面の案内に従って再投稿申請をいただいた方に原稿の返却を行いますので、加筆・修正後、締め切りまでに再投稿をお願いいたします。

●WEB投稿の場合
修正した同作品の再アップロードをお願いいたします。同じ作品がアップされている場合、締め切り時点での最新の画稿にて審査いたします。

●あしたのヤングジャンプ投稿の場合
ご自身のダッシュボードの投稿作品一覧より随時差し替え、加筆を行うことが可能です。締め切り時点の画稿にて審査いたします。

応募資格・規約

■応募はプロ・アマ問いません。
■特別な規程のある賞を除きページ数は50ページ以内
■商業媒体未発表(投稿サイトやSNSなどを除く)のオリジナル作に限ります。同じ作品を同時期に他の新人賞(web媒体含む)へ応募するのはご遠慮ください。
■一作品につき一つの賞に応募可能です。
■受賞作品の出版権、上映・上演権、映像化権などの諸権利は集英社に帰属します。
■アナログ原稿は返却いたします。(返却先不明の場合は処分させていただく場合があります)

※応募された個人情報は厳重に管理し、本企画遂行以外の目的に使用することはありません。本企画遂行後、速やかに破棄致します。

審査員
ヤングジャンプ・グランドジャンプ・ウルトラジャンプ編集部&各賞審査員

締切
2020年7月31日(金)
※郵送の場合当日消印有効。

発表
本サイト・となりのヤングジャンプ ・ヤンジャン!アプリを予定。さらに優秀作品に関してはヤングジャンプ・グランドジャンプ・ウルトラジャンプ誌面に掲載される場合があります。

賞金
本サイト内の各賞詳細ページを参照してください。

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