インタビュー アイコン 理想の先生漫画賞審査員『アルキメデスの大戦』『インベスターZ』『ドラゴン桜』三田紀房

三田紀房先生写真

――「ヤングジャンプ創刊40周年記念最大1億円漫画賞」では、漫画家だけでなく、様々なジャンルの方々が審査員に名を連ねております。こういった賞で審査員を依頼されることは多いのでしょうか?

三:新人賞の審査員は頼まれることが多い気がします。若手のチャンスの場を作るのは、個人的にも漫画界としても大歓迎なので、お役に立てるなら力添えしたいなと。
今回の漫画賞は、その気になれば10代の子でも大金をつかめるジャパニーズ・ドリームですよね。若い人は「一発やってみるか!」と奮起できるし、漫画家への道を諦めた人も再チャレンジできる。こういう賞はバンバン作って、バンバン応募してもらいたいですね。

――「理想の先生」部門の審査員をご担当されますが、このように応募ジャンル別に賞を設けることに対してはどう思われますか?

三:いろいろな取り組みがあってもいいと思う。僕のところのアシスタントたちもそうですが、「何を描けばいいかわからない」という若い人は意外と多いんです。今回の漫画賞のようにジャンルを提案してあげると、挑戦しやすくなるかもしれませんね。

――三田先生は、何を描けばいいかわからなかった時期はありましたか?

三:あまりなかったかな。僕が新人賞(※講談社漫画賞「ちばてつや賞」)に応募したときも、「何か身近なものを題材にして、それなりのクオリティの漫画を描けば賞金をもらえるだろう」という感じでいましたね。「賞金目当て」というと聞こえはよくないかもしれないけど、目的が明確だし、動機としてはありだと思いますよ。

――自分の描いた漫画のクオリティに自信を持つには、どうしたらいいでしょう?

三:漫画を描きっぱなしにせず、しっかり読んで検証し、正しいか間違っているかを判断する力を身につけることが大事ですね。この場合の「正しい」は、読者の過半数が面白いと思ってくれること。つまらないと思う読者がいるのは仕方ないから、面白いと思う人をどうやって増やしていくかを検証するんです。
僕が新人の頃に心がけたのは、「コメディではじまって、センチメンタルで終わる」です。その両方をきちっと作っておけば、日本人の半分は面白いと感じる。子供の頃から、ドラマ・映画・小説などを通じて、そう感じていました。映画『男はつらいよ』もコメディではじまって、センチメンタルで終わる。主婦向けのテレビドラマも、嫁姑がガチャガチャ喧嘩をはじめて、最後は和解して終わるものが多かった。子供心に「大人はこういう展開を面白がるんだな」と悟った原体験がありますね。冷めた子供だったかも(笑)。

――先生は世間のニーズを的確に捉えて漫画に描かれているように感じますが、どのようにニーズを探っていますか?

三:社会問題に注目すると、だいたい世の中のニーズがつかめます。『ドラゴン桜』(講談社)の連載開始当時、ゆとり教育に対する世間の不信、不安、反感が高まって社会問題化していた。『ドラゴン桜』はそこに「教育は詰め込みだ。スパルタだ。ガタガタ言わずドリルやれ!」って主張をドンと出した。そうすると、みんな「やっぱりそうだよね!」と飛びついてくる。当時はいまのようにSNSやツイッターで気楽に意見を発信できなかったから、それを代弁してくれる漫画が出ると「ほら俺の言ったとおりじゃん!」って乗っかってもらえたんです(笑)。“自分の言いたいことが描かれている”から、求められたんです。

――その「代弁」ともいえる決めゼリフは、三田先生が実際に思っていらっしゃることですか?

三:そうです。本音でないと、強い言葉にならない。「俺はこう思う!」と言い切るというのは、作者のひとつの主張です。本音って実際はなかなか口に出せないけど、漫画はフィクションだから堂々と言える。読者にも「ズバッと言ってくれ!」という期待と願望があるんでしょうね。

――先生イチオシの決めゼリフを教えてください。

三:「東大は簡単だ!」ですね。僕自身の人生を決定づけてくれた『ドラゴン桜』の桜木建二のセリフです。彼の一言で「人は常識をひっくり返されると驚く」という現象を目の当たりにできた。常識をひっくり返して読者に疑問を持たせ、それに対する理由や説明をワンセットにすると読んでもらえる。この手法は『ドラゴン桜』で学んだんです。

――自分に漫画の才能がないと感じて前に進めない人は、どう乗り越えたらいいでしょう?

三:僕は、才能は生まれながらに与えられているものではなく、「ものすごく小さな豆粒みたいなことを、いかに広げられるか」だと思うんです。漫画のアイデアって、親戚のオバちゃんとか面白いクラスメイトとか、自分の変な行動とか、意外と身近なところに転がっている。まずは自分の育った環境や日常のなかから題材をピックアップして、2~3本漫画を描いてみたらいいと思います。
メディアからネタを拾うのもいいですね。以前にラジオで、「レース鳩部で全国大会に出たら、出場校が自校を含めて2校だった」という投稿を聴いたんです。相手校との微妙な空気感を想像するとおかしくて、「俺なら漫画にするな」って(笑)。でも、一緒に聴いていた職場の若い子たちは、「放送されたネタだから使っちゃいけない」って思っているんですよ。発表されたものに対して潔癖すぎるのも、創作の邪魔になる気がしますね。真似でも何でも、どんどんネタを拾って、とにかく描くことが大事。みんな「雷に打たれて、閃いた!」っていうのを期待しがちだけど、閃かないから(笑)。実際、僕も30年以上漫画家をやっていますけれど、閃いたことなんて一度もない(笑)。日常生活で何かを見聞きして「それ描いてみようかな」って、そんなもんですよ。長年やってきた僕の結論は、「人は閃かない」ですね(笑)。

――「人は閃かない」。先生の漫画作品内で決めゼリフとして登場しそうです。

三:たとえば漫画のネタを1週間考えて何も閃かないと「俺ダメかも、才能ないかも」って自分で自分を疑って不安視し、だんだん悪い方向にいく。閃こうとする行為は、実は自分をすごく傷つけているんです。そんなことを考えている暇があったら、親戚のオバちゃんの変なところを描いたほうがいい。
なので、僕は次回作の構想は一切考えません。長年漫画家をやっているのに、考えて何も思いつかなかったら不安になるもん(笑)。だから最初から「考えません」って言っておくと安心するし、本当に考えない(笑)。

――「身近なものを観察し、数多く描く」。これは、漫画賞の応募者への力強いエールになりますね。

三:「自分が納得できる完璧な漫画」を追求すると、いつまでも納得できずに完成しない。以前に福本伸行先生が「完璧なんて作者の自己満足。傲慢な態度だ」と言っていたんですが、その通りだと思います。「完璧」にこだわらず、ある程度面白いものが描けたら発表して、あとは世間の評価を受けるしかない。そのためにはスクラップ&ビルドを繰り返しながら、ダメなら次! という感じで、たくさん漫画を描いてほしいですね。もちろん、僕の漫画に使えそうなものがあれば取り入れてもらって構わない。むしろ手本にしてもらえたみたいで嬉しいです。我々もずっと誰かを真似してきているんだから、共有財産としてみんなで使って、みんなでお金持ちになったらいいんです(笑)。

――先生は漫画の手法として「デカい顔」「決めゼリフ」「ベタな比喩」を大事にしているとうかがいました。

三:これは漫画の基本中の基本。いろはの「い」です。キャラクターの顔が小さくてアップがないと、読んでいても作者の自信が感じられない。漫画に自信をぶつける行為は「成功させたい!」という作者の熱意の表れでもありますしね。
野球で例えるなら、読者は観客にあたります。豪快なホームランを期待している観客に対し、バッターである作者は全力でバットを振りに行く。こんな感じに互いの気持ちが通じたとき、はじめて作品が輝くと思うんです。上手い下手は関係ない。「思いっきりバットを振りました!」とアピールすることは大事だし、そうしてほしいですね。

――今回の漫画賞でも、作者の自信を感じられるような作品を期待したいですね。

三:こういう大きな賞では、我々審査員にも「一発ホームランを打ってくれそうなバッターを探す」というミッションが課せられると感じます。実際に漫画業界は「三振か、ホームランか」の世界ですから。観客を魅了する豪快なホームランを期待していないと、総額1億円も賞金出さないと思いますから(笑)。

賞金総額

応募資格:プロ・アマ問わず/ページ数:50ページ以内/一作品につき一つの賞に応募可能です。

受賞作はとなりのヤングジャンプ ・ヤンジャン!アプリに掲載予定です。さらに優秀作品に関してはヤングジャンプ・グランドジャンプ・ウルトラジャンプ誌面に掲載される場合があります。また、大賞・準大賞・審査員特別賞の受賞者は2021年1月開催予定の授賞式にもご招待いたします。(※交通費の支給は大賞受賞者ご本人様のみとなります)

最終候補作投稿者にはヤングジャンプ定期購読デジタルが1年間無料となる特典もございます。


※各漫画賞ごとに審査のうえ、受賞作を決定します。
※受賞本数内訳は各審査結果により異なり、各漫画賞の賞金250万円の内訳は各漫画賞で異なります。
※全40漫画賞の賞金総額が最大で1億円となります。
※賞によっては条件の異なるものもございます。詳細は賞ごとの概要をご確認ください。
※商業媒体未発表(投稿サイトやSNSなどを除く)のオリジナル作に限ります。同じ作品を同時期に他の新人賞(web媒体含む)へ応募するのはご遠慮ください。
※受賞作品の出版権、上映・上演権、映像化権などの諸権利は集英社に帰属します。
※応募された個人情報は厳重に管理し、本企画遂行以外の目的に使用することはありません。本企画遂行後、速やかに破棄致します。

郵送の場合

宛先
〒101-8052
神田郵便局 郵便私書箱 第66号
「1億円40漫画賞」係
※返却原稿用封筒を同封してください。切手不要です。

<郵送用書式をダウンロードする>

記入事項
原稿の最終ページ裏に下記を記入してください。
■郵便番号
■住所
■氏名(本名とペンネーム)・年齢
■職業
■電話番号(都合の良い時間帯も)
■今までの投稿・掲載歴
■志望雑誌(ヤングジャンプ・となりのヤングジャンプ&ヤンジャン!アプリ・グランドジャンプ・ウルトラジャンプ)※複数回答可
■作品を投稿する賞名 ※一作品につき一つの賞に応募可能です

※手書きの場合はB4判の紙に黒インクか墨汁で描き、セリフは鉛筆で濃く書いてください。絵柄にかかる場合はトレーシングペーパーの上に。版面は270×180ミリ(右図参照)。

原稿サイズ
WEBの場合

応募フォームより必要事項を入力の上、原稿データをアップロードしてください。

原稿作成時のデータは指定なく自由に作成可能ですが、提出にはweb掲載用としてjpegもしくはpngファイルにてアップロードしてください。
原稿は原則として、アナログ原稿の版面に準じます。
B4サイズでプリントアウトされるように設定し、その際、上下左右20mm以上の余白が出来るように作成してください。
各ページに必ずノンブル(ページ番号)を記載してください。
ファイルサイズの上限は100MBです。
そのサイズを超える作品は、CD-Rなどに書き込み、プリントアウトを別途添えて郵送にてご応募ください。

アップロードするファイルは圧縮し、ファイル名は「(作品名の半角英数小文字).zip」でお願いします。
例)shinman.zip

各頁jpeg/pngファイルのファイル名は半角アルファベットのタイトル名+ページ数3桁でお願いします。
例)
shinman001.jpg
shinman002.jpg
応募作品はサイズを軽くしたデータでも可ですが、最終候補作に選出された場合、オリジナルデータを別途お送りいただく場合があります。

受賞作品はすべて「となりのヤングジャンプ」「ヤンジャン!」アプリに掲載いたします。
さらに優秀作品に関してはヤングジャンプ・グランドジャンプ・ウルトラジャンプ誌面に掲載される場合があります。

受付終了
あしたのヤングジャンプ投稿の場合

各漫画賞のリンクより、アカウントをお持ちの方は投稿フォームから「あしたのヤングジャンプ」規約に従って投稿してください。
投稿作品は通常投稿と異なり、賞の決定まで非公開となります。
ただし、すでに「あしたのヤングジャンプ」内で公開済みの作品の投稿や同一作品を別途投稿することは可能です。
最終候補に残った作者様には編集部からご連絡して、年齢・性別・住所・電話番号・志望雑誌をお聞きいたします。
またその際にオリジナルデータを別途お送りいただきますので保存しておくようお願いいたします。なお、選考結果発表日時は目安です。選考状況によって前後する場合があります。

受付終了
持ち込みの場合

持ち込みご希望の場合は、平日の13時~ヤングジャンプ編集部までご連絡ください。
YJ編集部TELL

東京都千代田区神田神保町3-13
集英社 週刊ヤングジャンプ編集部
地下鉄『神保町』駅(東京メトロ半蔵門線・都営新宿線・都営三田線)下車(A1出口より)徒歩2分。

地図
応募済みの作品の再投稿について

締め切りの延長に伴い、ご応募が完了している作品の再投稿を以下の通り受け付けます。

●郵送の場合/持ち込みの場合
郵送用封筒、もしくは原稿に付記されている住所に再投稿用の規定をまとめた書面をお送りいたします。書面の案内に従って再投稿申請をいただいた方に原稿の返却を行いますので、加筆・修正後、締め切りまでに再投稿をお願いいたします。

●WEB投稿の場合
修正した同作品の再アップロードをお願いいたします。同じ作品がアップされている場合、締め切り時点での最新の画稿にて審査いたします。

●あしたのヤングジャンプ投稿の場合
ご自身のダッシュボードの投稿作品一覧より随時差し替え、加筆を行うことが可能です。締め切り時点の画稿にて審査いたします。

応募資格・規約

■応募はプロ・アマ問いません。
■特別な規程のある賞を除きページ数は50ページ以内
■商業媒体未発表(投稿サイトやSNSなどを除く)のオリジナル作に限ります。同じ作品を同時期に他の新人賞(web媒体含む)へ応募するのはご遠慮ください。
■一作品につき一つの賞に応募可能です。
■受賞作品の出版権、上映・上演権、映像化権などの諸権利は集英社に帰属します。
■アナログ原稿は返却いたします。(返却先不明の場合は処分させていただく場合があります)

※応募された個人情報は厳重に管理し、本企画遂行以外の目的に使用することはありません。本企画遂行後、速やかに破棄致します。

審査員
ヤングジャンプ・グランドジャンプ・ウルトラジャンプ編集部&各賞審査員

締切
2020年7月31日(金)
※郵送の場合当日消印有効。

発表
本サイト・となりのヤングジャンプ ・ヤンジャン!アプリを予定。さらに優秀作品に関してはヤングジャンプ・グランドジャンプ・ウルトラジャンプ誌面に掲載される場合があります。

賞金
本サイト内の各賞詳細ページを参照してください。

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