インタビュー アイコン オカルト漫画賞審査員 月刊ムー編集長 三上丈晴

三上丈晴氏写真

――この度は「オカルト漫画賞」の審査員をご担当くださりありがとうございます。YJとは、昔からご縁があったんですよね。

三:YJの二代目編集長だった故・角南 攻さんが「ムー」(学研)で連載をしていたんです。角南さんは漫画家や上司に相談無く、いきなり誌面に「新連載開始!」って予告を掲載したり、大先生が描いた他社の漫画原稿を捨てたり、ものすごいエピソードを持っている都市伝説みたいな人で(笑)。「週刊少年ジャンプ」の名付け親で、『トイレット博士』(とりいかずよし/集英社)の登場キャラクターにもなっているよね。30年くらい前のYJって、漫画だけでなく超能力や超常現象の特集もしていましたよね。角南さんの趣味で勝手に押し込まれていたのかもしれないですが(笑)。そこに「ムー」でもお世話になっている超能力者の秋山眞人さんや、清田益章さんらも関わっていて、YJとはその頃からのお付き合いですね。

――審査員を依頼された際は、どう思われましたか?

三:実は集英社の別の雑誌編集部さんに「一緒に何かやろうぜ」と声をかけていたんです。そしたらYJからご連絡が来て。連絡をもらったとき、てっきりその返事だと思った(笑)。そしたらたまたまYJと「ムー」が同じく40周年を迎えていて、なおかつそれが漫画の審査員の依頼とは。ひょっとしたら角南さんが、霊界からなにか仕掛けたんじゃないかな(笑)。

――漫画には子供の頃から慣れ親しんでいたのでしょうか?

三:そうですね。小学生の頃、漫画家になりたかったくらい好きでした。特に永井 豪先生を神のように崇拝していましたね。『デビルマン』や『手天童子』(ともに講談社)といった伝説の作品はもちろん、短編集も含めて永井先生の作品はすべて読んでいます。当時の衝撃は相当なものでしたよ。この業界に入って何が嬉しかったって、永井先生にお会いできたことです。感動しましたねぇ! また永井先生の奥様が、メイクから髪型から先生の漫画に登場する女性そのものでね。「うわあ、まんまだ!」って、これまた感動しました。

――漫画を描いたりはしていなかったんですか?

三:中学生までは本格的にコマを割って描いていたかな。Gペンやらケント紙やらを揃えて、まずモノから入りました。漫画っていっても、永井先生の真似ばっかりでしたけど(笑)。「漫画の描き方」みたいなハウツー本ばっかり読んで、上手くなった気になってね(笑)。
故郷の青森は、11月上旬から翌年のゴールデンウィーク頃まで雪の中なんです。必然的に家の中で遊ぶんですが、僕らが子供の頃はスマホもゲームも無いから、黙々と絵を描いていたんです。ほかにやることも無いしね。そのせいかはわからないけれど、雪国出身者は絵がうまい人が多い印象です。それに「ムー」はもちろん、怪しい本もいっぱい読みましたね(笑)。『孔雀王』(荻野 真/集英社)や、菊地秀行先生の伝奇小説も大好きでした。漫画や本にはいろんな世界や知識が描かれているから、そこから得るものは多いと思います。

――霊能力者、超能力者はどのように超常現象を感じているものなのでしょうか?

三:霊視を例にすると、霊的なものが見える人は、左目だけ視力が極端に悪かったり、乱視であるといった場合が多いんです。左右の視力に差があるから、イメージしたものが重なって幻覚として現れる。これは民俗学的にもずっと言われていることで、ひょっとことか、一つ目小僧なんかもそうですね。ひょっとこは「火男」。つまり鍛治師なんですよ。吹子でずっと火を見ていたから、片目の視力が失われてしまった。だから鍛冶に関わる神は古今東西必ず一つ目なんです。時代が下ると、一つ目の神が妖怪と見なされることもある。『ゲゲゲの鬼太郎』(水木しげる/講談社ほか)の目玉おやじなんか、まんま左目ですし(笑)。左視野は右脳に行くので、映像として出やすいんです。そうやって見えたのが故人だったり、意味のあるものだったら「それは単なる幻覚じゃないよね」って話になる。これって『左目探偵EYE』(日本テレビ系/放送終了)ってドラマになったよね。きっと脚本家は「ムー」を読んでいるな…。なんてね(笑)。

――超常現象や体験を人に伝えるのは難しいと感じることも多いのでは?

三:見えるものや見え方は人によって違いますからね。たとえば、亡くなった人の声が聞こえたといっても、音として脳が理解しているだけで、実際に音がするわけじゃない。これを匂いや、味で感じる人もいる。第六感で感じたものを、脳が理解するために五感に落とし込んで勝手に翻訳しちゃうから、人によって感じ方が変わって、見えるものにもバイアスがかかる。亡くなった人が特定の服を着て見えるのも、そういう理由なんです。それを他人に伝えるのって、すごく難しいですよね。とくに霊能者や超能力者は感性が鋭いから「なんでわからないの!?」ってもどかしさがあるみたい。小さい頃は、みんなも自分と同じように見えていると思ったのに…みたいなパターンです。

――そういった意味では、漫画も人に伝える能力が試される職業だと思います。“伝える”難しさを克服するには、どうしたらいいでしょう。

三:脳と直結したWi-Fi通信って、もはや電波を使ったテレパシーですよね。テクノロジーの進化によって超常現象と同じようなことを再現できるから、以前よりは理解しやすくなったと感じています。相手の脳の情報をスキャンしてダウンロードして、コピーして改竄して、戻して記憶を変えれば、相手を好きなように動かせるんじゃない? みたいにね。それに、いまや酸化鉄やガラスに何百TBのデータを記録できる時代です。これだけ電波が飛び交っているんだから、この会話も含め、世界中の出来事がどこかに記録され続けている可能性だってある。その記録にアクセスしたり、ダウンロードできれば、それこそアカシックレコードやサイコメトリーだよね。

これまで超常現象は、ブラックボックス化していて「信じるか信じないか。それはあなた次第です」で終わっていたけど、いまはこういうモデルがあるので超常現象がイメージしやすい。「ひょっとしたら、そういう可能性があるのでは?」と思える。少し見方を変えるだけで、少なくとも可能性は論じられる。

――漫画を描くときには、見方を変えてみることが必要ですね。

三:「どこで勝負するか? どこでオリジナリティを出すか?」と考えないと。いまは情報社会だし、資料収集はいくらでもできますよね。ネタや素材は、もう出尽くしてしまっていると思うから。意外な組み合わせで勝負するとかしないとね。落語の三題噺じゃないけど、なるべく遠い題材を繋げてみると面白いかも。たとえば、味を表現するときに「おいしい、まずい」と言うのは誰でもできる。でも感じた味を色だったり、「賑やかだ」とか「騒がしい」とか、味覚以外のもので表現するとプロっぽくなる。こういう文学的テクニックを応用すれば、見慣れた題材でも、新しい世界観や物語として広げやすくなるんじゃないかな。

――オカルト部門の応募作には、どんな題材を盛り込んでほしいですか?

三:YJでこれまで掲載された漫画作品だって、半分はある種のオカルトであり「ムー」の世界観で描かれていますよね。登場人物が超常的な能力を持っていたり、タイムトラベルや予言ができたり。漫画や小説の中では、超能力・超常現象・宇宙人は定番ネタでしょ? だからこそ、あえて「ムー」的な目線でいうと“リアルな超能力や超常現象、描ける?”と問いたいですね。 たとえば「スプーン曲げ」って、そのシーンだけならいくらでも描けるけど、それでストーリーが作れるか? 科学で証明できない現象が実際にあるということを読者に訴えかけることができるか? っていったら、意外と難しいと思うんです。その場合、細部のリアルさはもちろん、知識とセンスも必要になってくると思いますから。

――まずは「ムー」をしっかり読み込むべきですね(笑)。

三:世間が「オカルト」に抱くイメージをどこまで裏切れるかも勝負になるでしょうね。スプーン曲げを例にすると、金属のスプーンが曲がって切れるんだから、普通は「熱が発生している」と思うでしょ? でも実際には、すごく冷えている。サーモグラフィーで見ると、スプーンを持つ指先の温度は極端に下がっているんです。スプーンはエネルギーで曲がっているんじゃないから発熱しないし、そして実は触らなくても曲げられるんです。

――エネルギーでないとすると、スプーンはどういったプロセスで曲がるんですか?

三:たとえば超能力者の清田益章さんの場合、スプーンが曲がる状況を丁寧にイメージしていくんです。スプーンが曲がりはじめ、まず見ている人たちが驚く。曲がったときの指の感触、空気感、音などをひとつひとつイメージし、スプーンが曲がった未来を引き寄せる。想像して未来を創る。人間にはもともとそういう能力があって、それに気づいている人だけが超能力者としての資質を開花させるのかもしれません。

――最後に応募者へのアドバイスとエールをお願いします。

三:読者の既成概念を裏切るような漫画を読んでみたいです。みんなが「オカルト」に抱いている漠然としたイメージは、すべて違う! って疑ってみても面白いのでは? オカルトの本当の意味は「覆い隠されたもの、魔術」です。超能力や心霊も、現象的にはオカルトと重なるところはあるけれど、じゃあ宇宙人やUFOってオカルトなの? ツチノコはどうなのよ? って考えてみてもいい(笑)。今回の漫画賞では、そんな「ムー」的な作品に出会えるのを楽しみにしています。

賞金総額

応募資格:プロ・アマ問わず/ページ数:50ページ以内/一作品につき一つの賞に応募可能です。

受賞作はとなりのヤングジャンプ ・ヤンジャン!アプリに掲載予定です。さらに優秀作品に関してはヤングジャンプ・グランドジャンプ・ウルトラジャンプ誌面に掲載される場合があります。また、大賞・準大賞・審査員特別賞の受賞者は2021年1月開催予定の授賞式にもご招待いたします。(※交通費の支給は大賞受賞者ご本人様のみとなります)

最終候補作投稿者にはヤングジャンプ定期購読デジタルが1年間無料となる特典もございます。


※各漫画賞ごとに審査のうえ、受賞作を決定します。
※受賞本数内訳は各審査結果により異なり、各漫画賞の賞金250万円の内訳は各漫画賞で異なります。
※全40漫画賞の賞金総額が最大で1億円となります。
※賞によっては条件の異なるものもございます。詳細は賞ごとの概要をご確認ください。
※商業媒体未発表(投稿サイトやSNSなどを除く)のオリジナル作に限ります。同じ作品を同時期に他の新人賞(web媒体含む)へ応募するのはご遠慮ください。
※受賞作品の出版権、上映・上演権、映像化権などの諸権利は集英社に帰属します。
※応募された個人情報は厳重に管理し、本企画遂行以外の目的に使用することはありません。本企画遂行後、速やかに破棄致します。

郵送の場合

宛先
〒101-8052
神田郵便局 郵便私書箱 第66号
「1億円40漫画賞」係
※返却原稿用封筒を同封してください。切手不要です。

<郵送用書式をダウンロードする>

記入事項
原稿の最終ページ裏に下記を記入してください。
■郵便番号
■住所
■氏名(本名とペンネーム)・年齢
■職業
■電話番号(都合の良い時間帯も)
■今までの投稿・掲載歴
■志望雑誌(ヤングジャンプ・となりのヤングジャンプ&ヤンジャン!アプリ・グランドジャンプ・ウルトラジャンプ)※複数回答可
■作品を投稿する賞名 ※一作品につき一つの賞に応募可能です

※手書きの場合はB4判の紙に黒インクか墨汁で描き、セリフは鉛筆で濃く書いてください。絵柄にかかる場合はトレーシングペーパーの上に。版面は270×180ミリ(右図参照)。

原稿サイズ
WEBの場合

応募フォームより必要事項を入力の上、原稿データをアップロードしてください。

原稿作成時のデータは指定なく自由に作成可能ですが、提出にはweb掲載用としてjpegもしくはpngファイルにてアップロードしてください。
原稿は原則として、アナログ原稿の版面に準じます。
B4サイズでプリントアウトされるように設定し、その際、上下左右20mm以上の余白が出来るように作成してください。
各ページに必ずノンブル(ページ番号)を記載してください。
ファイルサイズの上限は100MBです。
そのサイズを超える作品は、CD-Rなどに書き込み、プリントアウトを別途添えて郵送にてご応募ください。

アップロードするファイルは圧縮し、ファイル名は「(作品名の半角英数小文字).zip」でお願いします。
例)shinman.zip

各頁jpeg/pngファイルのファイル名は半角アルファベットのタイトル名+ページ数3桁でお願いします。
例)
shinman001.jpg
shinman002.jpg
応募作品はサイズを軽くしたデータでも可ですが、最終候補作に選出された場合、オリジナルデータを別途お送りいただく場合があります。

受賞作品はすべて「となりのヤングジャンプ」「ヤンジャン!」アプリに掲載いたします。
さらに優秀作品に関してはヤングジャンプ・グランドジャンプ・ウルトラジャンプ誌面に掲載される場合があります。

受付終了
あしたのヤングジャンプ投稿の場合

各漫画賞のリンクより、アカウントをお持ちの方は投稿フォームから「あしたのヤングジャンプ」規約に従って投稿してください。
投稿作品は通常投稿と異なり、賞の決定まで非公開となります。
ただし、すでに「あしたのヤングジャンプ」内で公開済みの作品の投稿や同一作品を別途投稿することは可能です。
最終候補に残った作者様には編集部からご連絡して、年齢・性別・住所・電話番号・志望雑誌をお聞きいたします。
またその際にオリジナルデータを別途お送りいただきますので保存しておくようお願いいたします。なお、選考結果発表日時は目安です。選考状況によって前後する場合があります。

受付終了
持ち込みの場合

持ち込みご希望の場合は、平日の13時~ヤングジャンプ編集部までご連絡ください。
YJ編集部TELL

東京都千代田区神田神保町3-13
集英社 週刊ヤングジャンプ編集部
地下鉄『神保町』駅(東京メトロ半蔵門線・都営新宿線・都営三田線)下車(A1出口より)徒歩2分。

地図
応募済みの作品の再投稿について

締め切りの延長に伴い、ご応募が完了している作品の再投稿を以下の通り受け付けます。

●郵送の場合/持ち込みの場合
郵送用封筒、もしくは原稿に付記されている住所に再投稿用の規定をまとめた書面をお送りいたします。書面の案内に従って再投稿申請をいただいた方に原稿の返却を行いますので、加筆・修正後、締め切りまでに再投稿をお願いいたします。

●WEB投稿の場合
修正した同作品の再アップロードをお願いいたします。同じ作品がアップされている場合、締め切り時点での最新の画稿にて審査いたします。

●あしたのヤングジャンプ投稿の場合
ご自身のダッシュボードの投稿作品一覧より随時差し替え、加筆を行うことが可能です。締め切り時点の画稿にて審査いたします。

応募資格・規約

■応募はプロ・アマ問いません。
■特別な規程のある賞を除きページ数は50ページ以内
■商業媒体未発表(投稿サイトやSNSなどを除く)のオリジナル作に限ります。同じ作品を同時期に他の新人賞(web媒体含む)へ応募するのはご遠慮ください。
■一作品につき一つの賞に応募可能です。
■受賞作品の出版権、上映・上演権、映像化権などの諸権利は集英社に帰属します。
■アナログ原稿は返却いたします。(返却先不明の場合は処分させていただく場合があります)

※応募された個人情報は厳重に管理し、本企画遂行以外の目的に使用することはありません。本企画遂行後、速やかに破棄致します。

審査員
ヤングジャンプ・グランドジャンプ・ウルトラジャンプ編集部&各賞審査員

締切
2020年7月31日(金)
※郵送の場合当日消印有効。

発表
本サイト・となりのヤングジャンプ ・ヤンジャン!アプリを予定。さらに優秀作品に関してはヤングジャンプ・グランドジャンプ・ウルトラジャンプ誌面に掲載される場合があります。

賞金
本サイト内の各賞詳細ページを参照してください。

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